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366 既に死語となった懐かしい言葉

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366 既に死語となった懐かしい言葉

20160707

太宰府地名研究会(神社考古学研究班)古川 清久


読者の皆さんは、「キャラコ」「ラクダ」「ネル」「メリヤス」「ニッカポッカ」「ジュバン」…といった言葉が分かるでしょうか?

 正直申し上げると、個人的にも良く分からず使っていたようなのですが、改めて気になって確認する事にしました。

概して、衣料関係の名称は流行に乗り流行に泳ぎ流行を創り売上げを伸びばそうとすることから、頻繁に名称が換えられ、例え同じものであっても、別の呼び名にして新商品を装おうとするもののようです。


 キャラコ

 キャラコは綿製品でインドのカリカットと関係があるとの認識は持っていましたが、寅さんのステテコも日本製のキャラコとまでは知りませんでした。


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インドは木綿の原産地といわれ、綿布は古くからインドの主要輸出品であり、ヴァスコ・ダ・ガマに始まるヨーロッパ人来航後も変わらなかった。インド綿布はルネサンス時代にヨーロッパにもたらされたが、その軽さ、手触りの柔らかさ、あたたかさ、染めやすさなどによって爆発的な人気をよび、17世紀以後インドに進出したイギリス東インド会社はこの貿易によって莫大な利潤を得た。カリカット港から輸出された綿布は特に良質で、この積出港の名がなまってキャラコとよばれた。

キャリコ織機

この綿織物を国内で安く大量に作りたいという動機が、イギリスの発明家ジョン・ケイの飛び杼にはじまる技術革新を促し、産業革命の興起を招くこととなる。しかし、このことはインドの手工業者の職を奪い、腕利きの職人が大量に失業したため、ドイツの経済学者であるカール・マルクスによって「職工夫の骨でインドの平原が白くなった」と形容されたほどの惨状を呈した。

日本のキャラコ

日本でも生産されている。日本で「キャラコ」と呼ぶ場合はインドとは逆に薄手で織り目が細かい糊付けした純白の布地を指し、主に足袋やステテコの材料となる。


ラクダ

 ラクダと言えば、直ぐに落語の「ラクダ」が頭に浮かびます。

本題は「駱駝の葬礼(ソウレン)で、上方落語では「らくだの卯之助」、江戸落語では「らくだの馬」がフグの食あたりで死んで葬式が始まるという噺でしたが、衣料のラクダの方は股引との頭があります。

ラクダは毛が柔らかでなため高級な繊維とされていたようで、実際に昔はラクダの毛で股引を作っていたそうです。冬に暖かく、セーターやコートにも使われる高級織物だったのです。



ネル

 ネルと言えば、ドリップ・コーヒーのネルの袋が浮かんできますが、現在は一部のマニアックな喫茶店で本物のコーヒーを作るときに使うネル・ドリップの生地がそれです。

 これも良く分からなかったのですが、フランネルの短縮形がネルだったのです。

 ネルの長襦袢(ジュバン)とかが頭に浮かびますが、今度はジュバンが分からないとの声が聞こえて来そうです。

和服用の下着が襦袢ですが、これも、「ジバン」「ジュバン」とも言い「袖の広い上着」を意味するアラビア語「jubbehが語源とされています。


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フランネル(英: Flannel)は柔らかく軽い毛織物のこと。略してネルともいう。衣類、シーツとナイトウェアに一般的に用いられる。経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を交互に織る平織りや2-3本おきに交互に織られる綾織りがある。無地だけでなく、様々な模様が施される。フランネルは当初カーディングが施されたウールまたはウーステッド糸から作られたが、現在ではウールと綿、ウールと合成繊維から作られることもある。イギリスのフランネルは平織りで毛羽が軽く、一方ドイツのそれは綾織りで毛羽が多い。柔軟で弾力性・保温性に優れスーツ、シャツなどに用いられる。

ウィキペディア(20160707 13:00による


 メリヤス

これは死語とまでは言えないかもしれませんが、いずれ消えて行く事でしょう。


莫大小,目利安などの字をあてる。ジャージー,トリコットなどを含めた機械編み布地の総称。名称は江戸時代初期に靴下をさすスペイン語の medias,ポルトガル語の meiasが転訛したもの。

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説


「ニットと同義語。編物のことを昭和30年代頃まで、一般にメリヤスといった。以後、編物の急激な発展により、外衣までも含めた衣料の主要生地となったため、肌着、靴下のイメージの強いメリヤスから順次ニットということばに移行した。メリヤスとはポルトガル語のメイアッシュ(meias)、またはスペイン語のメジアス(medias)からきた言葉といわれているが、いずれも靴下という意味である。現在でも肌着などの生地はメリヤスと言うことばが一般的。」。

新ファッションビジネス基礎用語辞典(株)織部企画 より


 「ニッカポッカ」

これも分かっているようで良く分からない言葉です。鳶職やゴルフの時着る服との認識もあり、外来語という事は分かりますが、調べてみました。


ニッカーボッカーズ(英: Knickerbockers)はズボンの一種で、長さが膝下までですそが括られた短ズボン。野球、ゴルフなどのスポーツウェアとして広まり、現在日本では土木・建設工事の作業服として多く見られる。ニッカ(ー)ボッカー(ズ)、ニッカポッカ、ニッカズボン、ニッカー(ズ)とも呼ばれる。

ニッカーボッカーズの起源は、オランダからアメリカへの移民が着用していたブリーチズと呼ばれる短ズボンである。

ウィキペディア(20160707 13:50による


これは、生地とは関係がないようですね。そう言えばイタリア戦線のジョージ・パットン将軍が着ていたのも、これなのでしょうか?



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