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スポット128 林野庁が引き起こした九州北部豪雨災害によってとうとうJR日田彦山線までもが廃線に

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スポット128 林野庁が引き起こした九州北部豪雨災害によってとうとうJR日田彦山線までもが廃線に!

20171005

太宰府地名研究会(神社考古学研究班) 古川 清久


 この間、朝倉~日田に掛けての九州北部豪雨災害について下記の五本のblogをオンエアしてきました。

スポット112 朝倉~日田が犠牲になった九州北部豪雨災害は行政が引き起こした! 

20170713

スポット115 山に木がある方が安全だと思い込んでいる人に対して! 本当に豪雨が原因なのか?

20170719

スポット122 大量の土壌流出と木材流出は今後も継続する“平野虎丸ブログのご紹介を兼ねて”

20170925

スポット123 筑後川の南から北の被災地を眺める 悲しい棄民国家の現実

         “ここでも「災害地名」が意味を持っていた「道目木」「梅ケ谷」”   20171001

スポット125 朝倉から日田にかけての山々の行く末について

20171001

 本稿はその続編になります。


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彦山(英彦山)


 北部九州において彦山と言えば知らぬ人のない山岳修験の山であり、陰りが見え始めた登山の山でもあったのですが、山岳修験を恐れた明治維新以降の神仏混交修験の排斥によって今や凋落の一途を辿りつつある信仰の山です。宮司家だけは天皇家から「高千穂」姓を頂いて有難がっておられるのですが。

この福岡と大分の県境に聳える彦山の西の縁を縫うように走っていたのが、かつての日田彦山線でした


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さて、スポット112 朝倉~日田が犠牲になった九州北部豪雨災害は行政が引き起こした! 

に於いて、このように書いていました。


 既にJR久大線の花月川橋梁(大分県日田市)が流されています。どう見ても短期間での復旧は望めず、

ゆふいんの森号(まさかバスによる代行運転できないので北九州周りにするでしょうが)は忘れ去られる

ところまで行くはずです。

JR九州は農水省に対して損害賠償請求する気はないのでしょうか?私の目から見れば因果関係ははっきりしているのですが?それとも高千穂鉄道同様に見捨てるつもりなのでしょうか?…

 皆さんは、あの高千穂線が2005年の台風による洪水(これも林野庁によるでたらめな人工林造成が原因)による橋梁流出によっていとも易々と切り捨てられ廃線となった事を覚えておられるでしょう。

所詮、JR九州とはそのようなものなのです。もしかしたらこれ幸いだったのかも知れません。民間企業とはそのようなものなのです。CIAの手先中曽根による国鉄分割民営化による情けない国策の結果です。


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林野庁の責任によって久大線の鉄橋が流され、湯布院の森号でさえ北九州の小倉から大分経由で湯布院に向かわざるを得なくなっているのですから、日田彦山線が影響を受ければ、切り捨てたくて仕方がない経営側にとっては勿怪の幸いとばかりに廃線への動きが加速してくる事は言わずもがなでしょう。


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現在、久大線に続き、この日田彦山線までもが存亡の危機に立っているのです。

 以下をお読み下さい。

JR九州 大雨 被害】日田彦山線は約30kmに渡り被害…JR九州「復旧かなりの時間」2017-07-11 19:50:01


JR九州は711日、大雨の影響で一部区間の運転を見合わせている日田彦山線と久大本線の被害状況を発表した。久大本線の光岡~日田間(大分県日田市)で橋りょうが流失したほか、日田彦山線でも大きな被害が発生している。[関連写真]日田彦山線は、城野(北九州市小倉南区)~夜明(大分県日田市)間68.7kmを結ぶ鉄道路線。全線が非電化単線で、城野方の列車は日豊本線に乗り入れて小倉駅まで、夜明方の列車は久大本線に乗り入れて日田駅まで運行されている。

75日の大雨では、添田(福岡県添田町)~夜明間の29.2kmで大きな被害が発生。添田~歓遊舎ひこさん間の第二彦山川橋りょうは橋脚が傾き、豊前桝田~彦山間の第三彦山川橋りょうも変形した。

彦山~筑前岩屋間の釈迦岳トンネルや筑前岩屋駅構内には土砂が流入。宝珠山~大鶴間でも土砂流入や盛土の流失が確認されている。大行司~宝珠山間では盛土と軌道が流失。大行司駅は路盤が崩壊した。

日田彦山線は添田~夜明間、久大本線はうきは~夜明~日田間で運転を見合わせており、久大本線ではバスによる代行輸送が行われている。JR九州は両線について「橋りょうの流失や線路災害など被害が発生しており、復旧にはかなりの時間を要する見込み」としている。

《レスポンス 草町義和》- 引用元 日田彦山線は約30kmに渡り被害…JR九州「復旧かなりの時間」(レスポンス)


 十分にお分かりになったと思います。

 日豊線の城野駅からとは言え、筑前夜明駅で久大線に連絡し、北九州の小倉から西豊後の要衝日田まで風光明媚な列車の旅が堪能できる日田彦山線は、その特異なロケーションによって北部九州でも残された名路線と思い続けて来ました。

 その日田彦山線までもが廃線の話が出てくるのですから、この情けないばかりの国家の劣化には驚くばかりです。

 思えば、この日田彦山線沿線は非常に魅力的なところでした。

 彦山への登山の基地であり彦山神社への参拝の駅であった彦山駅。

 確か、記憶違いでなければ、戦時下に多くの死者を出しながら突貫工事で建設された釈迦ケ嶽トンネル。

 その釈迦ケ嶽トンネルから滔々と流れ出す豊かな湧水の筑前岩屋駅。

息を呑むばかりの美しさを今に留める栗木野鉄道橋梁(下)。


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個人的な話ながら、桜咲く筑前岩屋駅から愚妻と二人の娘を日田彦山線のディーゼル車に載せて往復し、短いながらも日田彦山線とトンネルの旅を行いましたし、何度か格安で田舎が堪能できる千代丸温泉伊東屋にも泊まりました。

 筑前岩屋から山越えで何度も鹿田焼窯元にも足を向けました。


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薄汚い人工林の拡大とそれによって堆砂容量を大きく超え土砂が堆積続ける無駄なダムや効果もない、砂防ダム、三面張りのコンクリートで固められた清流…によって北部九州には見るべきところが一切亡くなった中、最後に残された心安らぐ懐かしい風景が徹底的に痛めつけられたのが今回の豪雨災害でもあったのです。最早、あの素晴らしいばかりの釈迦ケ岳トンネルの湧水も失われているのです。


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これまで朝倉を中心に書いてきましたが、旧宝珠山村(現東峰村)もとんでもない被害が出ているのです。この原因の一切が林野庁による長伐期施業という責任逃れの放置(投げ出し)政策の付け廻しが二十数年を経てとんでもない災害をもたらし始めたのです(まだこれは始まりでしかありません)。

 この無責任な政策を出した農水省、林野庁の腐敗官僚どもも、天下りするだけして己が懐だけ肥し責任追及も免れ、今や、人生を終えようとしているのです。まさに国賊としか言いようがありません。

 収益性から考えれば廃線に持ち込みたいはずのJR九州は、好機到来と考え廃線から放置するのか、住民を人質にして国から予算を引き出そうとしているのか不明ですが(財務省も馬鹿ではないはずで今回の災害の主因が林野行政にあった事は十分に理解しているはずなのです)、一応は資産であるはずの鉄路が寸断された理由が人工林にあった事は明らかなのですから、裏では実質的な損害賠償請求級の要求はしているはずなのです。

 そこから放置されているのが、林業とは全く無縁な窯元などの自営業者や旅館業者であり、観光客の激減、販路や経営そのものの喪失の危機を迎えているのです。

 何度も言うようですが、自分の杉山が崩れて自分の家族や自分の家屋や田畑が流されるのは自業自得でしかなく、嘘つきの行政を信じた馬鹿さ加減を恨むだけで済みますが、自らの林地が崩壊し他人の生活を破壊した場合は加害行為であり、本来は損害賠償の責を負うべき性格のもののはずなのです。

 ところが、林野庁の面子から、また、下級の自治体もチョッカイ議員どもも旗を振り率先して推進してきた事から、とんでもない大雨が降った事にしてホウカムリしているのが実態なのです。

 この恥ずべき国家の在り様には驚くばかりであり、東峰村観光大使やバカバカしいだけのゆるキャラ…などと言った不要のお飾りなど直ちに廃止し、本当に必要な行政施策と困窮している民衆を今こそ救わなければ住民そのものを失う事は明らかなはずでしょう。

 既に災害の発生から三カ月が経過しました。

恐らく、災害復旧を行なったところも再び規模を拡大させ一層大きな豪雨災害が襲う事になるでしょう。

 行政も本当の原因が人工林の崩壊にある事、それを押し進めた行政に責任がある事を明らかにし、本当の救世済民に舵を切るべきでしょう。

 そうでなければ、いずれ行政そのものが無用の長物として民衆から逃散(もうここには住めない…)という形で侮蔑され捨てられることになるのです。

 再建できていないところだらけの上に、再び秋の長雨が襲い寒い冬がやって来るのです。

 付近には、それこそ原鶴温泉やら筑後川温泉やらあるにもかかわらず、利権絡みの仮設住宅で人生を終えなければならない人々の悲しみが良く分かります。

 これは天災によるものでもなく、とんでもない大雨が降った訳でもなく、運が悪かった訳でもなく、家の建て方が悪かった訳でもなく、ただただ林野庁による度を越えた拡大造林政策とそのつけ回しによる長伐期施業という酷い責任放棄(棚上げ)政策の結果、林業や農業にすら関係のない一般の善良な人々の人生が奪われただけの事だったのです。

三カ月が経ち見せ掛けだけの黙祷をするのは結構ですが、終戦直後の一億総懺悔と同様に“全体で助け合おう“で誤魔化せば再び災害が襲う事になるのです。

農水省の予算を削減してでも自らが引き起こした人工林災害による損害賠償を行い、地域を再建すべきなのです。

にも拘らず配分の問題もあるのですが、無残にも災害義捐金が雀の涙となっているようなのです。

阪神大震災から激減したのですが、島原火砕流災害や奥尻島の津波災害の時には一戸当たり3000万円近い義捐金が配分されたのです(災害に逢った方が良かったという話も出たほどなのです)。

ところが、今回はその十分の一も出ないようで、それもこれも小○竹○改革とか言う国富としての郵政の売り飛ばした売国政策の結果、国民の所得が半減した事によってもたらされた国民経済の劇的縮小によりもたらされたものなのです。


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