479 粗削りな鳥居が魅力的な 糸島市(旧二丈町)の大田神社
20170420
太宰府地名研究会(神社考古学研究班) 古川 清久
多くの神社に訪れていると、やはり心惹かれる神社というものはあるものです。
まさに、目に焼き付いて離れない強烈なイメージを残す神社が糸島市(旧二丈町)の大田神社です。
昨今は味気のないコンピューター制御による機械カットの立派な鳥居や石塔や灯篭ばかりが目につきますが、この手造りの粗削りな石の鳥居には本当に驚かされました。
実際にこれを加工し組み立てる事を考えると、その困難さは想像するに余りあります。
仮に組み立てる事は出来るとしても、実際にバランスを維持できるか、寸法が合い嵌めこむことができるのか、“ちょっと調整するからそっちを持っておいてくれ…”などとは簡単にできないことは明らかで、良くぞ造ったものだと驚きも感服もしたものです。
正確に対称性を持った物を正確に計測して造ることは不可能ではありませんが、非対称性の物を正確に加工し組立てることは逆に難しいはずなのです(これは昔の木造建築の大社の梁も同様ですが…)。
縁起と「福岡県神社誌」上巻119p を見て頂きましたが、太田命と猿田彦命を軸に考えます。
割り切った人間や、通説をそのまま受け売りするような方は別として、この太田命が何者であるかは多くの研究者にとっても謎なのです。
島根県の太田市には物部神社があり、ニギハヤヒ=猿田彦=山幸彦の子(もしくは数世の孫)とされるウマシマジが祀られています。
大田命も、当然、この手の物部系統の人物と考えたいのですが、そう簡単には行かないのです。
「古語拾遺」は天目一箇神としていますが、天の目一つは製鉄神であり、数は少ないものの熊本などでも数社遭遇しています。
百嶋神社考古学ではこの神をヤタガラスの後裔の武夷鳥(タケヒナドリ)=道真の祖とします。
下の極秘神代系譜をじっくり見てもらった上で武夷鳥を考えるとアメノウヅメは猿田彦の妃ですから、ギリギリ太田命が猿田彦の後裔である=武夷鳥が猿田彦の義理の義理の後裔=子であるとまでは言えるのです(勿論、可能性を探っているだけで決めつけるだけの決め手はありません)。
ウマシマジも当然ながら猿田彦の後裔ですし、候補はいっぱいいるのです。
当研究会の内部では大田命を大山咋とする説が有力なのですが個人的にはフォローできていません。
ここでは、猿田彦のお妃がアメノウヅメですから、姻戚関係が重複する神代の事、義理の義理の関係で親子=後裔の関係が成立する事を理解して頂くしかないものと思うものです。
今回は煮え切らない内容で申し訳ありませんでしたが、神代史でも最も難しい問題が横たわっており、この大物主問題、太田命については回答を出せたらと考えています。
ここでは、荒削りの手造り鳥居の素晴らしさをお知らせした事に留めます。
大田神社 カーナビ検索 糸島市二丈一貴山1016
百嶋由一郎極秘神代系譜(部分)
研究目的で百嶋由一郎氏の資料(音声CD,系譜…)を必要とされる方は09062983254までご連絡下さい