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273 天手力男命と天大豆目命とは誰かお分かりになりますか?

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273 天手力男命と天大豆目命とは誰かお分かりになりますか?


  「ひぼろぎ逍遥」「ひぼろぎ逍遥」(跡宮)共通掲載           20151201

久留米地名研究会(編集員)古川 清久


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阿蘇から325号線で高千穂に向かうとこの二人の神様が左手に見えてきます


熊本県高森町から国道325号線で宮崎県高千穂町に向かうと下河内にこの二柱の神様がお出向かいになっています。

「古事記」で最も知られた天照大御神の岩戸隠れに登場するこのお二人の神様が一体誰なのかをお考えになった方はおられないでしょうか?

俗説、通説を問わず、岩戸隠れ神話の舞台は宮崎県の二つの高千穂とされています。

ただ、私達百嶋神社考古学を追求するものとしては、宮崎県霧島市の高千穂一帯の話は全くのインチキ神話と先生から聴かされています。

このため、古代史にも関係する重要氏族の阿蘇氏が居地としていた一帯にもそう遠くない高千穂町の高千穂は多少とも真面目に考える価値はあると考えているところです(尤もテーマパーク化された部分は別ですが)。

事実、健磐龍命は高千穂のある東側からこの地に入っているとの伝承が高森町草部一帯には残されているほどなのです。

まずは、この二神について敬愛する玄松子氏のサイトからお読みください。


天手力男神

 天照大神が天岩屋戸の中にお隠れになった時、八百万神が集い神謀りに謀り、それぞれ役割りをもうけられた。

  この神は、天岩屋戸の扉を開く係を受け持った。手の力が強い大力の神名が与えられた神。

  天照大神の御手を執ってお出迎えした、即ち日の神の復活に功のあった神。 そのため伊勢皇太神宮の内宮の相殿の神として祀られている。

  『古事記』の天孫降臨神話では、邇邇芸命に五伴緒と共に随伴した神として登場。 「佐那那縣に坐す」と記されており、伊勢国多気郡多気町に鎮座している。


天宇受売命

  『古事記』には、天照大御神が天の岩屋に隠れ給うた時、 天宇受売命が、槽を伏せた上で踊り、神がかりながら乳房を出し、次いで紐を解き、衣をさげて女陰をあらわに出したので神々は大笑いしたとある。 神々が楽しげに騒いでいるので、天照大御神が気になって岩戸を開いたという。

  この天宇受売命の所作が、神楽舞の起源。『日本書紀』では天鈿女命と呼ばれ、「猿女君の遠祖」とあり、 「天の石窟戸の前に立ちて巧に俳優(わざおぎ)を作し」とも書かれている。

  宇受(鈿)は髪飾りのこと。髪飾りをして神祭りを行う女神。

  天孫降臨に際し瓊々杵尊に従った五伴緒神(五部神:天児屋根命太玉命天鈿女命石凝姥命玉屋命)の一柱。

  天孫邇邇芸命が豊葦原中国に降臨した時、 天之八衢(八方の道の辻・分岐点)にいて高天原と下の葦原中国をてらしていた神がいた。
 天孫邇邇芸命は天宇受売命に命じて「吾が御子(邇邇芸命)の天降りする道をさえぎるのは誰か」と問わせた。

  すると「吾は国津神。猿田彦と申すが、天津神の御子が天降りされると聞いたので、御先導申し上げようとここまで出迎えに来たのだ」と答えた。
 天孫邇邇芸命は天宇受売命に「猿田彦神は汝が顕した神だから、汝がお送りするがよい。 またその神の名を汝が名にとって仕えるがよい」と言われたので、 それ以後天宇受売命を猿女君と呼ぶようになった。

  後に、猿田彦神は天宇受売命と結婚。子孫を猿女と称し、神楽・伎芸などの祖神と仰がれ祀られている。

稲荷三座の一座である佐田彦大神を猿田彦と考えて、 同じく稲荷大神三座の一座である大宮売神を、天宇受売命の別名とする説があり、 宮比神として祀られる場合も多い。

敬愛する「玄松子」より

このことについても百嶋先生は明快でした。

天手力男命とはスサノウ命であり、

天宇受売命とは伊勢神宮外宮の主神の豊受大神であり、同時に伏見稲荷様でもあるのです。

そして、筑豊の地元の方には馴染みの深い香春神社の主神でもある辛国息長大姫目命その人なのです。

そして、玄松子氏も、「後に、猿田彦神は天宇受売命と結婚。」書かれている様に、天宇受売命が一緒になられたお相手の猿田彦とは実はニギハヤヒ命=山幸彦のことなのです。

では、海幸彦はと考えられるでしょうが、

海幸彦こそ、この二神の像からも車で十分もあれば直ぐに着く事が出来る、高森町の草部の天児屋根命こと彦八重耳=草部吉見神社の主神なのです。

玄松子氏は通説とその周辺に関して一般的に受け容れられる内容をお書きになっています。

それはそれで敬服しいつも参考にさせて頂いています。

同じく稲荷大神三座の一座である大宮売神を、天宇受売命の別名とする説があり、 宮比神として祀られる場合も多い。については、大体良いのですが、紹介されているもので、現実に存在していると言うより支配的な説にまで高められてしまっている以下の稲荷三座の一座である佐田彦大神を猿田彦と考えて、

については、全く承服できません。

佐田大神と佐田彦大神が誤ってか?意図的にか?全くの別神を混同されてしまっている事に関しては誤りと考えています。

出雲の佐田大神は大山咋=佐田大神であり、決して猿田彦=ニギハヤヒ=山幸彦ではないのです。

これについては、「ひぼろぎ逍遥」051 出雲の佐田神社と安心院の佐田神社 をお読み頂きたいと思います。ともあれ、

少しは日本神話のお伽噺のような話が、歴史に繋がる古代史の世界に近づいたのではありませんか?


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