275 山口県下松市の高良神社
20151209
久留米地名研究会(編集員)古川 清久
暗号「山上憶良」マイマップの高良大社の分祀 というサイトがあります。
良く調べておられ、非常に参考になるため、このリストにより、先月も、徳島県、高知県の高良神社5社外を訪問させて頂いています。
これには、山口県下松市河内にも 高良神社(降松神社)があるとされています。
何時でも行ける事から後回しにしてはいたのですが、久留米地名研究会グループのスケジュールの合間を縫い、連携グループの豊の国古代史研究会のN氏に同行を頂き現地調査に向かう事にしました。
市街地にあったことから事前にグーグル・アースで確認ができていました。
このため、現地の雰囲気は十分に把握できていました。
下松市の中心部から東に2キロほどの所で、県道からも少し入った静かな住宅街といったところでしたが、鳥居は直ぐに見つかりました。
十メートルほどの小丘の上に置かれた小さな神社でしたが、神額には紛う事なく「高良社」と書かれていました。
付近には、若宮町があり、鷲頭山、烏帽子岳を越えた隣の光市には三井があるなど、久留米高良大社に関係のある人々が移り住んだようにも思えます。
この高良社の神額を持つ神社は、昭文社の道路マップ(山口県)では降松神社若宮と表記されていますので、背後の鷲頭山の頂上付近に置かれた降松神社が上宮にあたるのではないかと思います。
残された基礎から見て、元はそれなりの社殿があったのでしょうが、30㎡ほどの敷地に簡素な祠が残されていただけでしたが、祠正面の階段の造り方は筑後物部氏の社殿の様式を模したもので、確かに高良神社の祠である事は間違いない事でしょう。
今のところ、これ以上の事は分かりませんが、この神社が、古い時代に、九州から展開した高良系氏族の奉祭する神社であった事は確認できたようです。