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スポット036 某大手商社からの講演依頼 

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スポット036 某大手商社からの講演依頼 

20150606

久留米地名研究会(神社考古学研究班) 古川 清久

 

皆さんは大手総合商社と聞けばどのような事をお考えになるでしょうか?

良く「ラーメンからミサイルまで」と言われますが、原材料、物流、金や情報からトータルなプラントの輸出入に絡む幅広い取引を対象に昼夜走り回り、日本資本主義の最先端で活動しているのが日本型総合商社です。

直ぐに、三菱商事、三井物産、住友商事、丸紅、伊藤忠、日商岩井…といった社名が頭に浮かんでくると思います。

ところが、このようなトップ中のトップの大手企業から地名研究会宛に講演依頼が飛び込んで来たのです。

差し障りがあると申し訳ないため、当然にも社名は伏せますが、この大手商社の九州ブランチからの講演要請だったのです。

既に、個人的にも会の事務局を通じても、会員である多くの研究者が講演に担ぎ出されてはいるのですが、このようなトップ・クラスの企業からもお呼びが掛かるとは、凡そ考えも及ばなかったことです。


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そろそろ、活動開始から10年近くになる久留米地名研究会グループですが、戦後雨後の竹の子の様に誕生した史談会、郷土史会、歴史研究会、谷川健一系日本地名研究所に連なる伝統的地名研研究会…といったものの一切が、高齢化の末に活動休止から解散へと進み、いつしか競合するこれらの一切の民間の研究団体が消失して行く構造にあるようなのです。

ともあれ、講演依頼の話は講演予定日の一ケ月前に舞いこみました。

とりあえず、どのようなお話を求めておられるかをお聴きして適当な方をお世話しようとしたのですが、テーマを指定されると準備には通常二カ月程度は欲しいため、準備が出来てる方にお願いするしかありません。

当方には、穴掘り考古学、万葉集、言語学、「古事記」「日本書紀」、民俗学、神社研究、古代史一般、邪馬台国研究、九州王朝論研究、古天文、地質学、地名研究…と多くの専門家を抱え込んでいます。

ただ、何の手がかりもなく講演者、講演内容を準備する訳にも行かないため早々にもお聴きすると、「熊本地震の直後ですから熊本と関連付けて…」といった話が返ってきました。

とりあえず、周辺のメンバーに当たりましたが、会長さえも何度電話を掛けても応答がないため、一ヶ月という時間的余裕しかないこと、目下の大手総合商社にとって焦眉の課題が、“中国貿易に対してどのようなポジションを取るのか…”であることから、結局、準備が出来ている私が「熊本と中国」“雲か山か呉か越か”というテーマでお話をすることにしてしまいました。

その翌日からパワー・ポイントの作成に取り掛かり、数日で何とか目鼻が付いたことから、ようやく月例の二つのblogの原稿作成に取り掛かることができたのでした。

日程が迫ってくるとさすがに緊張してきますが、いつもの事と考え恥をかかないようにだけ心掛けようと考えているところです。


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ともあれ、最近は、新聞社、放送局、FM局、行政機関、観光協会、大手寺院、大手神社…といったところからの引き合いが増えてきているのは事実です。

野鳥の会でさえ「野鳥の生息調査より、会員の生息調査をしなければならない…」という話が聞かれるほど、全ての民間の研究団体が消失しつつある時代なのです。

その背景にあるのは、小泉、竹中改革なる国民の富(国富)のアメリカへの売り飛ばしと、国民所得の半減によって、高級品が全く売れない買えない貧困層の増大、貧富の差の劇的な拡大により、国民が余暇を楽しみ、研究する余裕の一切を失った事、さらには学会通説に尾を振る権威主義で運営されてきた既存の組織の全てが、その権威主義故に後進を全く育成、養成できず、組織の老衰によって焼失しつつある事に起因していると考えるものです。

結果的には、通常の町興し村興しに巻き込まれること無く、教育委員会や文化庁の権威主義から独立性を保ち生き延びてきた独自の研究体制こそが、唯一、今の我々の健在を準備したものと理解しています。

さて、現在、静かに子供食堂が全国に広がりを見せています。

現在の日本にはそれほどまでに所得を失い、伝統的家族を失った人々が増え続けているのです。

既に、日本はOECD中最下位と言う所得水準にまで低下しています。

まともな教育どころか、まともな食事を大切な次世代にさえも提供できないつまらない国家に陥ってしまっているのです。

この富をアメリカに売り飛ばしたものこそ小泉、竹中とそれを担ぎ出した薄汚い官僚どもなのですが、国民に豊かな教育を与え、物事を自分の頭で考えさせるゆとりを与えない限り、このような文化的一切が今後とも消失し、AKBと芸人が蔓延る薄っぺらな国になって行く事でしょう。

そして、日本の最大の力の源泉である知的想像力と技術的イノベーション(正確には「技術革新」とイノベーションと言うべきか)の喪失は、いずれ日本をOECD以下どころかただの中流国家に誘うことになるでしょう。希望が閉ざされている以上、早く日本の無様な姿を確認して死にたいものだと思うこの頃です。どうせ文化的後退を押しとどめる事が出来ずに死ぬ事になるのなら薄汚い官僚どもを道連れに!

 

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