スポット037 首都圏の水甕に水がないという大笑い! “国土交通省の戦後の70年がこの事態を齎した”
20160615
久留米地名研究会(神社考古学研究班) 古川 清久
読売新聞(YOMIURI ONLINE)より
利根川水系:16日から10%取水制限関東1都5県毎日新聞
「首都圏の水がめ」とされる利根川水系8ダムの貯水率低下を受け、関東の1都5県(東京、茨城、千葉、栃木、埼玉、群馬)で16日午前9時から10%の取水制限が行われる。国土交通省関東地方整備局や6都県でつくる利根川水系渇水対策連絡協議会が14日、決定した。8 ... (一部を掲載)
梅雨の最中から取水制限というのですから驚きますが、首都圏では明日(6月16日)から1割の制限が始まるとの話が飛び交っています。
気象予報士などは“五月でエルニーニョが終わり、ラニーニャが始まった…”とか、“梅雨前線が蛇行しているから雨が降り難い…”などと言って説明にならな い説明をしていますが(要は異常気象で説明したいのでしょう)、ほとんどの人々が気付かされていない現象、雨の親と言うか母と言うか、雨の素である南の海 からの湿った空気が、列島の背骨の中部山岳から北関東奥の山々まで入って行かない構造的環境変化が増々強まっていると考えられるのです。
荒川水系、玉川水系は省略…
まず、何故、ダムは山に造られているかお分かりでしょうか?
勿論、人 が住んでいない所だから土地が得やすく用地買収もやり易いからではありますが、重要なことは、暖かく湿った気団(関東ならば小笠原気団でしたっけ)が海か ら移動してくると、平野の北の山々に持ち上げられ、温度が降ることによって水蒸気が水滴となり、雨となって山に降って来るからなのです。
ところが、最近は海に近い大都市で局地的豪雨が頻発している事はご存じの事と思います。
日本ではあまり馴染みのない竜巻の頻発とも関係しているのですが、その原因は「CO2による地球温暖化」という国家的大嘘(デマ)とは全く無関係で、巨大なヒート・アイランド現象が起こっているだけの事なのです。
繰り返しますが、元々、首都圏の水甕たる利根川(荒川、玉川…)水系のダムは、東京湾、駿河湾方面の海から運ばれた暖かく湿った空気が神奈川から首都圏の北にある山々に押し上げられ、大量の雨となり、それらを溜める水甕として受け取る事を想定して造られたものでした。
ところ が、海からの湿った気団の進入路である沿海部は日本でも最も発展し都市化が進んだ地域になっているのです。この一帯は、徹底的にコンクリートとアスファル トで固められ、地表には森は元より、土もなければ、水場もない言わば砂漠以上の“熱したフライパン”の状態と化しているのです。
ここでは、朝夕を問わず絶えず上昇気流が発生し続け、南から入ってくる大気を、良くて脇に逸らし(反らし)、跳ね返し続けるエアー・カーテン(空気のファイヤー・ウォール)状態となっているのです。
元々、列島は北東から南西方向に向かって横たわり、春から夏に掛けて南西方向から入ってくる湿った空気を弧状列島の背骨である中央の山岳地帯で受け止め豊かな水を受け続ける事ができる天恵の約束された大地だったのです。
しかし、 この恵まれた構造を徹底して破壊してきたのが戦後の河川~道路の土木工事であり都市開発であり港湾開発だったのです。そして、その総指揮をとったのが主と して国土交通省であった事を考える時、異常気象だ!とか、地球温暖化の影響だ!と、責任を他に求め、ダムに水がないとして大騒ぎし節水を求める姿は、それ 自体として愚かであり無様としか言いようがないでしょう。
勿論、 ヒート・アイランド現象によって一気に持ち上げられた湿った空気が高空で一気に冷やされ豪雨となって降って来るのが最近頻発している都市型豪雨であり、そ の水は都市の水甕たる多くのダム群には一向に貯められず空しく目の前の海に還流していくだけという構造になっているのです。
もしもこ れを防ぎ、あれほど自然破壊を行いながら造られた多くの巨大なダム群に溜め込もうと思うのであれば(それ以外の選択肢もあるのですがここでは触れませ ん)、ヒート・アイランド現象を多少とも抑え長期的には止め、北部、西部の山間部まで湿った気団を送り込む構造を取り戻さなければならない事は明らかで しょう。
「大気中 の二酸化炭素濃度の上昇によって地球全体が温暖化しているのだからしょうがない…」とか、ホッケー・スティック疑惑があからさまになっても、気温上昇がこ こ十年以上止まっている事を、まだ“深層海水の温度の上昇に費やされたらしい…「地球温暖化の停滞現象(ハイエイタス)の要因究明」 ~2000年代の気温変化の3割は自然の変動”などと嘯く「ごまかし」は放っておくとして、国土交通省にはそのヒート・アイランド現象に対して責任があることを自覚してもわらなければならないのです。
戦後70年を掛けて極限まで拡大したヒート・アイランド現象の最大の原因は、関東平野の地表から水が消しさられた事によるのです。
こんな簡単なことを逐一説明しなければならないのはうるさいの限りですので箇条書きにしますが、
① 都市化により森が切られ、農地が潰され地表から土の部分が消えてしまった(シマッタ!)
② 洪水を引き起こさないように…と、雨水をいち早く海に流すことだけを考え、全てをコンクリートで固め雨の時は雨どい状態、晴れればカラカラのコンクリートの滑り台といった保水性の全くない川に変えてしまった(シマッタ!)
③ 駐車場はコンクリートで固める事を裏では勧奨し、土も植物もない地表を拡大させた(開発認可、建 築認可の段階でこれを規制し、透水性舗装や舗装を限定する工法を取らせることは十分に可能だったはずだった)勿論、今からでも水を地下に浸透させないレイ ン・コート型舗装を禁止する事は可能
④ 下水道の整備により一切の水が河川に還流しない構造に変えられてしまった(シマッタ!)
⑤ 上水道は江戸の昔から開発が始まり、現在は何十キロも離れた所から地下の送水管で運ばれ地表の熱循環、水循環、大気循環には一切寄与していない
⑥ 都市での洪水を防止するとして整備される巨大な地下貯水槽も熱循環、水循環、大気循環にはほとんど寄与しない
⑦ 総じて首都圏の地表の面積のほとんどがコンクリートやアスファルトや何の意味もない無駄な太陽光パネル(太陽光発電はその元となる太陽電池を造り出すために投入された電力を以後30年稼働したとしても回収できない 儲かっているように見えているのは補助金が高額であるに過ぎない)…に覆われてしまっている
⑧ こうして、都市の大気循環、水循環、熱循環に寄与できる地表の水は極僅かとなり、雨が降って来ない限り、地表は一方的に熱せられ続け、人は干上がり、熱中症で倒れ、エアコンを使い続け、竜巻は頻発し、貧乏人やホームレスは空を眺め絶望する
⑨ そのような都市環境の変化を自分たちで引き起こし、結果として山のダムに水が貯まらなくなっているという因果関係への理解を全く持っていない
⑩ 気象予報士といったとぼけた人々は表面的現象と経験則でしか考えていないことから、この奇妙な現象についてはほとんど理解しておらず、相変わらずCO2の増加による「地球温暖化」などという原子力産業が流したデマに責任を転嫁し絡め取られている
北関東のダムに水が貯まっていないという奇妙な(ある意味で面白い)現象に対して、簡単なモデルを作って説明をしたつもりですが、不十分な話でお分かりいただけたかどうか疑問です。
ただ、太 平洋ベルト地帯と言われる都市化されヒート・アイランド化された帯から、時には巨大な柱として、時には巨大な壁として立ち塞がる上昇気流に阻まれ、夏季に は南の海から内陸部に送り込まれるはずの湿った大気が迂回し雲散霧消している事に自覚がない限り、このような現象は今後も続き、首都圏への水供給の危機は 解消されない事になるのです。
では、この国土交通省の無自覚と無責任によって引き起こされたヒート・アイランド現象を緊急に抑え、貧乏人やホームレスが絶望しないで済むような昔の江戸の環境に引き戻すことは可能なのでしょうか?
難題の様に見えますが、大量の資金を投入しなくても済む効果的な方法が一つだけあるのです。
それは、多くのビル群の屋上に浅いプールの設置を義務付ける事なのです。
水はたまにしか降らない雨でも溜めておけば水道料金もいらないのであり、雨漏りを心配するならば、防水モルタルで10センチ程のオーバー・フロー型のプールを造れば良いのです。
緊急にやろうと思えば、それこそ屋上にバケツを並べ風で吹き飛ばないようにするだけでも地表面積の半分は水で覆う事が可能になる訳であり、一気に都市の気温を数度は下げ、その水が気化して雨となって降って来ると言う江戸の夕立を復活させることが可能になるのです。
今や、ゴム製の防水シートやステンレス製のプレートでも材料は容易に手に入ります。
しかし、自らの70年の放置、無自覚、失政こそが、熱中症、真夏日、熱帯夜の連続、水に恵まれたはずの列島に於ける渇水と言う恥ずべき現象の原因であることに無自覚であれば、この馬鹿げた構造は永遠に続く事になるでしょう。
そして、ヨーロッパ不良貴族の温床であり食い物と化しているオリンピックまでも、あきれたことに灼熱のヒート・アイランド砂漠の東京で、最悪の期間(2020年7月24日から8月9日の開催)に何の意味もない愚かなお祭り騒ぎを開催すると言うのですから、心ある人々はオリンピックの期間には首都圏を脱出するでしょうし、例外なく海外からも不平不満が続出することでしょう。
しかし、肝心の国土交通省がどのように理解しているかは歴然としています。
冒頭に挙げた読売新聞(YOMIURI ONLINE)には続きがあり、
「同整備局によると、10%の取水制限だと水道水の勢いがわずかに弱まる程度という。8ダムの合計貯水量は14日午前0時現在、1億7165万立方メートルで、貯水率は37%(平年比46%)。冬の降雪量や、上流域の5月の降水量が少なかったことが原因とみられ、同時期で比較すると、全8ダムの運用が始まった1992年以降、最低となっている。今後も少雨が続き、貯水量が1億5000万立方メートルを下回った場合、制限は20%に引き上げられる見込み。」
「冬の降雪量や、上流域の5月の降水量が少なかったことが原因とみられ、…」と、自らが引き起こしたヒート・アイランド現象が原因であることに全く気付いておらず、危機感が全くないことは明らかです。
元々、国 土交通省に入る末端の土木系の人間は、成績が悪く、物理、化学が苦手で、大気循環、熱循環、水循環が分からない、ただの土建業思考の連中だから致し方ない としても、トップ・クラスの技術系官僚とは、国家百年の大計(管子の「終身之計」)を考え、長期的ビジョンと国民と国家のために働くために高額な給与が支 給され厚遇されているのであって、その場凌ぎの金儲けや天下り先確保のために雇われてはいないはずなのです。
日本のような高温多湿でしかも海に囲まれた島国では、どちらから風が吹いてきても弧状列島の背骨に衝突しその水分が高空に持ち上げられ地表に雨を齎します。
また、地表に水があれば熱せられた大気と水は膨張し高空に上り冷やされ冷たい雨となって地表の温度を下げます(夕立、スコールは空と大地との水のキャッチボールの事なのです)。
ところが国土交通省を筆頭とする戦後の平和な土建業は関東平野一帯を巨大なコンクリート砂漠に変えたに留まらず、上水道、下水道の一切を地下に持ち込み、僅かに降った貴重な真水である雨水さえも一気に海に落とし込み、地表から水を消し去ってしまったのです。
僅かに彼らの支配が及ばない明治神宮や皇居の一帯になどに土と水と緑が残るだけとなってしまった(シマッタ)のです。
少しでも 頭を使い、都市舗装を地下との水交換、熱交換が出来るように義務付けるとか、都市開発を規制するとか方法はいくらもあったはずなのですが、利権、私権を優 先する方が自らの利益に繋がる事から決して規制へのベクトルは生まれず、一方的に、ヒート・アイランドの野獣は野放しにされてしまったのでした。
こうして、関東平野は、夕立を失い、熱中症と竜巻と都市型ゲリラ豪雨と水不足のフライパンと化したのでした。
その責任 がどこにあるか、あったかは、どなたもお分かりになるはずで(本来は国に対する損害賠償請求に該当する)、国土交通省以下の官僚どもが国家のためにも国民 のためにも国土のためにも奉仕していない化け物集団(戦前の関東軍と同様)であることがお分かり頂けると思います。
砂漠にはほとんど雨が降りません。一方的に上昇気流が起こるだけで砂漠の嵐が起こされるのです。
同様に、 都市のコンクリート砂漠にも雨は降らず、海が近いために海岸部だけで南の海から持ち込まれた水蒸気起源の都市型豪雨が地下街を浸水させ、竜巻による多くの 家屋を倒壊させ、小学校の熱中症で運動会を中止させ、エアコンも節約する老人を絶望に追いやり、自分たちはエアコンの効いた室内で汗もかかずに、国土にも 国民にも国家にも役にも立たない私的利益追求を行っているのです。
あれほど点数取りの優秀な官僚を集めているのですから、この事が全く分かっていないとは思えないのですが(その証拠の痕跡が「打ち水大作戦」なる馬鹿騒ぎです)、自らの頭で考え、自らの意志で行動する癖を持たなければ、優秀な頭脳も宝の持ち腐れでしかなく、彼らの人生に何の意味もなかったことになることでしょう。
ヒート・アイランドは70年掛けて国土交通省が引き起こした反国家、反国民、反国土的現象
三面張り水路、下水道、上水道、道路舗装、地下河川…都会には土も森も川も存在しない!