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スポット047 スーパー・マーケットのレジのロボット化とスイスのベーシックインカム 

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スポット047 スーパー・マーケットのレジのロボット化とスイスのベーシックインカム 

20160614

久留米地名研究会(神社考古学研究班) 古川 清久


「万葉集」型経済に移行すべし!何の事だかお分かりならないでしょうが段々と分かってきます。


既にどなたも目にしておられると思いますが、セルフ・スタンドの席巻に続き、スーパー・マーケットのレジの無人化が急速に進んでいます。

これを「非常に便利だ…」とか「レジでの並んでいる時間が減って助かる…」といった感覚で受け入れる事ができるのはちゃんとした収入が確保されている人の話でしかないのです。

セルフ・スタンドの導入によって、運転免許以外何の技術も持たない暴走族風まがいの若者から高齢者の一群までもを吸収していたガス・スタンド(GS)からこの低賃金労働者の一群が一掃され、収入減を絶たれた事はここ十年ほどの出来事だったのです。

結果、起こったことは、石油の高騰と相まって、暴走行為が減り(つまり石油への消費が減り)、エコ・カーなるハイブリッド車の増加によってさらに一層石油の消費量そのものが減少してしまったのです(恐らくここ十~十五年で一割減)。それどころか、ついには所得の低下も相まって、若者の車離れが一気に進みガソリンそのものが売れなくなってしまったことは記憶に新しいことでしょう。


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結果、ガソリンスタンドの経営はセルフ導入によっては全く改善されず、ますます、苦しくなってしまったのでした。

勿論、よその店が正規の従業員を置きながら、自分の店だけセルフ化(ロボット化)すれば、従業員に払う賃金を削って設備投資が出来る訳で、償還が終わりさえすれば大儲けができる事にはなるのですが、そのころには他所のスタンドもセルフ化を進め、結局、同じ条件で新たな競争を余儀なくされ、最期は資本力の大きい元売り、特約の直営店同士の力勝負に収斂されていくことになっていくのです。



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恐らく、スーパー・マーケットのレジのセルフ化、ロボット化も同様で、やっと子育てから解放され、マイホームのローンと子供の教育資金を溜めるために始めたパート(と言ってもフル・タイムと言うとんでもないパート労働ですが)の仕事でしたが、指導要員、保安要員への配置転換で生き残れる人は僅かでしかなく、結局、大半は解雇され、夜間も監視カメラと無人化されたレジが商品を送り出し続けることになるのです。こうして、唯一と言っても良い資格のいらない主婦労働者の仕事はコトゴトク失われて行く事になり、所得そのものを失う事になるのです。

それどころか、自動運転のロボット自動車の登場は目前まで迫っており、自由な独立自営業とも思われた長距離トラックの運転手、タクシーの運転手(ロボットの登場以前に会員制の配車サービスUber/ウーバーがひたひたと迫っている)もドローンやロボット・タクシーに置き換えられて行く事になるのです。

残るのは、剃刀を使う床屋のおじさん(さすがにロボットに髭剃りは頼めないでしょうから)、寿司屋は大丈夫かと思ったら、ほんの僅かな高級店と田舎を除き伝統的な寿司屋は消えて行きつつあるのです。

残るのは、個性で勝負できるラーメン屋とか、ロボット化し難い花屋、植木屋、僧侶、神官、(あくまでも信仰が続く限りに於いてですが)、ソープランドのセルフ化は冗談ですみますが、ロボットに置き換えられない産業とはそれほど多くはないのです。

思いつくのは、医師、教師、公務員…で良さそうですが、医師も大学教授も国民の大半が所得を失っていけば安閑とはしていられないでしょう。

漁業は無理としても、米作りぐらいは完全ロボット化も不可能とは言えませんし、公務員と言えども、その現業部門である軍隊ではロボット化がどんどん進められています。

例えば、世界最高水準の89式超長距離深々度魚雷などの開発が進めば、将来的には人の乗る潜水艦さえも無人化できる可能性が出てくるのです。

実際、余計な居住スペース、食糧…を除去すれば武器を満載した小型の高性能潜水艦隊が大量に生み出されることになりますし、長距離ロボット魚雷(事実上の海中の戦術巡行ミサイル)だけでも海洋を制圧できる可能性が出てきているのです。

それは、空も陸も同様で、ロボット戦闘機、ロボット戦車も既に研究段階から開発段階へと進みつつあるのかも知れません。

一方、詐欺師(結婚、オレオレ…)、イカサマ宗教家、営業マン、泥棒、強盗、以外は生きてゆく手段を失いつつあるのです。

公務員は何の富も産みださないただの下級貴族か下級藩士でしかありませんし、結局、男女とも誇りを持って生きて行ける仕事はどんどん消え去り(とりあえず測量士と消防士程度?)、ロクなものしか残らなくなっているのです。

このようなことは、ラッダイト運動を持ち出すまでもなく、古くは千歯扱き(センバコキ)や岡蒸気(汽車)の登場から何度となく起こってきた事とは言えますが、ここ560年でも、ブリキ職人、傘職人、帽子職人、桶職人、竹細工職人…と言ったものが事実上消滅して行きました。

では、産業構造の変化に伴い廃業を余儀なくされた人々はどうなったでしょうか?

一部は、転業、廃業し人生の終末を迎えたでしょうが、大半は他の産業に吸収されていった事でしょう。

今度のコンピューター化、ロボット化という新たなイノベーションによって、他の産業への誘導、移配が可能なのかです。

何度もこのような事が起こりつつも、これまでの日本と言う国家は、本質的には不必要な職業を職業扱いすることによって(例えば栄養士、カウンセラー、警備職員、文部省職員、オカマ、芸人、サッカー選手…)雇用を創出してきました。

中にはお怒りになる方もおられるでしょうが、栄養士など架空の栄養値を基に架空の栄養価を計算しているだけで摂取している実際に取得している栄養とは全く異なるものなのです。

平均的に良好とされる条件で栽培された特定の食物にどれだけのミネラル、栄養が含まれているかは、実際の栽培の条件(ハウス栽培か路地ものか、早期栽培か否か、養殖かどうか、肥料の投入の有無…)によって全くと言うよりも場合によっては数千倍単位で栄養価が異なるのです。

従って、責任逃れのためのアリバイ作り、良くて架空の仕事への思い込みでしかなく、最期は過剰な栄養を取らせないメニュウを作るに至っては、ほとんど空振り、素振りの仕事でしかないのです。

まあそれは害悪がないだけ許容範囲なのでしょうが、今後のイノベーションによってどれだけの余剰人員=失業者が生み出されるか全く予断を許しません。

その事を理解しているが故に、現代の二十~三十代は容易に結婚しないのであり、結婚したとしても子供を産もうとはしないのです。

現状のような社会制度(労働条件)ではまともな家族、家庭を持てない事は明らかであり、それを知っているからこそ自己規制と相まって、異性への関心さえも持たない人々が激増しているのです。

そして、それは自らの生物学的生存本能の発揮であり、生物学的に正しい判断をしているのです。

では、どうすれば良いのでしょうか?これが今回のテーマです。

極端に言えば、国家が、国民の一部でしかない資本家、資産家、投資家と、それらの財産を守るためだけに存在している軍隊、警察機構、官僚機構の成員の家族と不法入国者だけの国民に置き換え、大半の生産を全てロボットとコンピューターにしたとした場合どうなるのでしょうか?

解雇され収入の道を断たれ所得を失った大量の失業者(旧国民)に購買力はなくなるのであって、如何に効率的にロボットによる生産、流通が行われようとも、国家が存立できなくなる事は自明の理と言えるでしょう。

結局、この失業者にも何らかの所得を与えて消費させ購買力を持たせる以外に方法はなくなる事になるのです。

そこで、ようやくと言っていいでしょうが、国家の成員であるというだけで一定の所得を与えるという「最低補償年金」とか「ベーシック・インカム」の議論が出てき始めているのです。

 結局、無慈悲に見捨て旧国民を減少させるとしても、最後は生産されたものの消費者として一定の国民を残さざるを得なくなるという訳なのです。

この事に気づいて、十年ほど前に「万葉集型経済」という小論を書いたことがありました。

意味は容易には分からないと思いますが、どちらにせよ一定の所得を消費者に与えない以上、経済は廻らないのであって、これまでの労働に意味がなくなったとしたら、何らかの有益性のあるサービスを提供させる見返りとして国家なり地域なり共同体なりを単位として何がしかの給付をしなければ、富を独り占めにした一握りの金持ちとロボットとゴース・トタウンだけが残る事になるのです。

それが、何らかの学術研究なり歌舞音曲なりボランティア活動…といった活動報告書の提出に対して給付する制度を仕組まざるをえなくなるのではないかと考えるのです。

何故、報告書の提出という仕組みをいれたかと言えば、給付を受ける側の誇りを維持するための心理的な制度であり、スムーズにサービスをさせるものに過ぎないのです。

我々の数世代後には、歌を歌い、詩を書き、史を書き、研究し、踊り…従来の感覚では何ら生産的ではない実質現在の公務員のような行為に対して対価を支払う時代がくることでしょう。


ベーシックインカム、日本だと1人月5万円? 各国が導入検討、スイスは国民投票で否決


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収入に関係なく、一定の額を毎月全国民に支給するというベーシックインカム(BI)制度が各国で議論されている。6月初旬には、導入の賛否を問う国民投票がスイスで行われ、否決されたものの大きな話題となった。既存の制度の問題点を是正する策として、多くの国々で注目されている。◆各国がBI導入を検討収入に関係なく、一定の額を毎月全国民に支給するというベーシックインカム(BI)制度が各国で議論されている。6月初旬には、導入の賛否を問う国民投票がスイスで行われ、否決されたものの大きな話題となった。既存の制度の問題点を是正する策として、多くの国々で注目されている。


◆各国がBI導入を検討


 エコノミスト誌によれば、1797年にイギリスの哲学者トマス・ペインによって、一律15ポンドをすべての人に支給するというBIが提唱されている。以後BI導入は検討されたこともあったが、一般的に多くの福祉国家では、年齢や不運から仕事のない人への生活保障としてのプログラムが構築されてきた。しかし、ここ10年の間に、労働者の生活水準の向上に十分なだけの賃金の上昇がないという不安により、BIへの関心が高まってきたという。 スイス以外にも、カナダ、オランダ、フィンランドなど、数ヶ国でBI導入が検討されている。フィンランドでは、来年から1万人を対象に、1ヶ月550ユーロ(約67000円)を支給する実験が2年間の予定で開始される。政府はすでに2000万ユーロ(約24億円)を費用として準備しており、既存の公的扶助からも合わせて拠出を予定している(news.com.au)。

エコノミスト誌によれば、1797年にイギリスの哲学者トマス・ペインによって、一律15ポンドをすべての人に支給するというBIが提唱されている。以後BI導入は検討されたこともあったが、一般的に多くの福祉国家では、年齢や不運から仕事のない人への生活保障としてのプログラムが構築されてきた。しかし、ここ10年の間に、労働者の生活水準の向上に十分なだけの賃金の上昇がないという不安により、BIへの関心が高まってきたという。

スイス以外にも、カナダ、オランダ、フィンランドなど、数ヶ国でBI導入が検討されている。フィンランドでは、来年から1万人を対象に、1ヶ月550ユーロ(約67000円)を支給する実験が2年間の予定で開始される。政府はすでに2000万ユーロ(約24億円)を費用として準備しており、既存の公的扶助からも合わせて拠出を予定している(news.com.au)。



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「万葉集」型経済については、そのうち、また、ゆっくり議論する事にしましょう。


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