スポット049 「日本国誕生」小松洋二著(不知火書房)2016年8月新刊のご紹介
20160708
久留米地名研究会(神社考古学研究班)古川 清久
熱心な古代史ファンの皆さんに対して自信を持ってお薦めできる一書が福岡市の不知火書房から公刊されました(8月新刊)。
小松洋二氏は元々は九州古代史の会に所属されておられたことからお名前は存じ上げていましたが、「古代の風」に移行されたようで、直接の面識を持っていませんし、多分、電話でお話をしたこともないと思います。
同氏は『大和朝廷の前身 豊前王朝』(同時代社)を出された大芝英雄氏に近い考え方を持っておたれた方のようで、一般的な九州王朝論からも距離を置きながら自説を展開されておられるようです。
ざっと目を通しただけですので、内容についてのコメントは控えますが、販促用チラシの章立やテーマからご自分で判断して頂きたいと思います。
個人的には、唐、新羅連合軍と激突した倭国(当然にも九州王朝)が唐の占領を受けたことから(太宰府占領/天智10年 太宰府に唐将郭務宗ら外交使節団が47隻2000人で…)、あくまで国家的独立性を残すために、栄えある倭国とは別の国家として成立させた擬装倭国こそが日本国ではなかったのか?と考えており、その謎の解明に大きな答えを与えて頂ける一書と思っているところです。
早くも、次著が公刊されることを期待しています。