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extra010 宇佐神宮とは何か? ⑩ “宇佐市安心院の三女神社は三沼の君が祀った”

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extra010 宇佐神宮とは何か? ⑩ “宇佐市安心院の三女神社は三沼の君が祀った”

「ひぼろぎ逍遥」「ひぼろぎ逍遥」(跡宮)奥の院 共通掲載

20150413

久留米地名研究会(神社考古学研究班) 古川 清久


 さて、もう一つの事実をお知らせしましょう。

これも、一般的には全く知られていない(知らされていない)半ば秘密です。

驚くことに、この神社の縁起には、“芦原の中国の宇佐嶋とは宇佐郡安心院邑のことで、その地を支配していたのは筑紫君である”としているのです。

筑紫君とは、当然、筑前、筑後に分国される以前の話であり、九州王朝論者の中では常識に近いのですが、筑紫君とは久留米市三潴町の三沼の君のことであり、高々一三〇〇年の歴史しかない近畿大和朝廷などのことではないのです。

繰り返しますが、当然にも、安心院、院内、山香の一帯こそが宇佐のまほろば=ハート・ランドに思えるのですが、この安心院の地には、現在、公式に宇佐神宮の二の御殿の祭神とされている宗像三女神が三女神社として鎮座しています。

ところが、この三女神社の縁起には、今も堂々と芦原の中国の宇佐嶋とは宇佐郡安心院邑のことで、その地を支配していたのは筑紫君であるとしているのです(縁起を参照のこと)。

 筑紫君とは、一応、筑前、筑後に分国される以前の話となりそうですが、九州王朝論者の中では常識に近い久留米市三潴町の三沼の君のことであり、高々一三〇〇年の歴史しかない近畿朝廷のことではありえないのです。

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再度、伊藤まさ子女史にご登場願いましょう。


神社の門前に「水沼井」の案内板がありました。「井」とは井戸の事ですが、「水沼」とはなんでしょう。川岸の三女神社に、沼はないでしょう。水沼とは久留米 の三潴の事でしょうか。水沼君の墓もあるし、玉垂宮もある。そうなると、安心院は古代を解く鍵を持っていることになります。

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ひとまず、社殿にお参り。

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社殿に由来がありました。

むむ・・「豪族筑紫君等がこれを祀る。爾来一貫してこの地に鎮座して今日に至ると伝えられる」
 私たちを案内した人は、この「三女神社由緒」を読んでほしかったのです。わかりました。

それで、水沼井の案内板に戻り、「社家は水沼氏」というところをアップして写真に撮りました。「筑紫君」の「君」は、「国造」とは若干違います。国造は、「国のみやつこ」ですから、「国に仕える御奴」という意味です。君は地域の首長です。君と呼ばれる豪族は、多くはありません。更に、水沼(みぬま)君が書 紀の雄略天皇のところに出ています。その水沼君の氏族が、社家であったのです。それも、三女(二女)神社の。三女神は、筑紫君の神だったのです。
 だから、此処は「筑紫君」が祭った神社であったのです。
 五二七年の磐井の乱で、筑紫君磐井は豊前の山に逃げています。磐井の行方が分からなくなり、怒った官軍が磐井の墓の石人を破壊したと、風土記にありました。筑紫の君と安心院(宇佐嶋)との関係が見えましたね。
 さらに、社殿の隣の摂社「貴船神社」の由緒。


それで、水沼井の案内板に戻り、「社家は水沼氏」というところをアップして写真に撮りました。「筑紫君」の「君」は、「国造」とは若干違います。国造は、 「国のみやつこ」ですから、「国に仕える御奴」という意味です。君は地域の首長です。君と呼ばれる豪族は、多くはありません。更に、水沼(みぬま)君が書 紀の雄略天皇のところに出ています。その水沼君の氏族が、社家であったのです。それも、三女(二女)神社の。三女神は、筑紫君の神だったのです。
 だから、此処は「筑紫君」が祭った神社であったのです。
 五二七年の磐井の乱で、筑紫君磐井は豊前の山に逃げています。

さらに、社殿の隣の摂社「貴船神社」の由緒。

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なるほど、元正天皇の時代になったころ、この土地の人々は「貴船神社」に雨乞いをしていたのですか。八世紀の貴船神社は、すでに大きな信仰の対象だったので すね。三女神社は地域の守り神というより、格式が上げられていたのでしょうか。それとも筑紫の君の衰退により、雨乞いの神事もできなくなっていた……
  さて、「二女神社」ですが、田心姫命・湍津姫命の二神は大国主命の妃だそうです。だから、もともとはこの二神を祀っていたのではないかというのです。後から市杵嶋姫命が加えられたとか。それで、言い伝えを知っている人が、二女神社の鳥居を寄進したという事ですか。ふうん、「安心院の不思議」が解ければ、古代がすっきり見えてくるかもしれません。もう一つ付け加え。

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三女神社の境内に「皮籠石」(カワゴイシ)という切石がありました。これは、なんでしょう。


多分、彼女は神籠石を念頭に置いておられるのでしょうね。この要衝安心院にもあったのかもしれませんね。

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