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スポット065 筑豊に展開した「先代旧事本記」に登場する二田物部氏の筑後側の故地が判った 

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スポット065 筑豊に展開した「先代旧事本記」に登場する二田物部氏の筑後側の故地が判った     

20161130

太宰府地名研究会 古川 清久(百嶋神代史研究会準備会)


既にblog「ひぼろぎ逍遥」をお読みの方はご存じと思いますが、現在、十数名を超える神社研究者によるブログが相互にリンクされています。

順調に行けば、2017年早々にも40年間筑後地方の神社を研究されてきたM氏によるblogが新たに加わる事になり、各々研究スタイルや傾向や強度は異なりますが、等しく百嶋神社考古学の影響を受けとめた研究者が連合体を形成する事になりそうです。

まずは、15人程度のblog連合体と、blog化されてはいないものの、それらをサポートし、自らフィールド・ワークやネット検索により百嶋説の検証作業を行っておられる多くの方がおられるのです。

現在、神社や特に祭神についてある程度の知識をお持ちの方は非常に少なくなっています。

戦前戦中の影響から、戦後は極端に神社や祭神に対する知識、研究が軽んじられた結果、神社の神職でさえもが殆ど知識を持っていない上に、真面目に研究しようと努力する事さえも無視される事が顕著なのです。

結果、最早、取り返しがつかない所にまで神社研究が後退している事を強く意識しています。

そうしたなか、神社研究者はもとより、15人もの神社研究者によるblogが揃い踏みできる事は、まずは望外の成果と言って良く、事実上、他に類例のない研究サイトに成長しつつあるのです。

このことによって、この間、懸念を抱き続けてきた何の成果もなく潰え去っていくという民間研究団体の行く末に対して一つの歯止めとアンチ・テーゼを対置できた上に、この研究者の連携によって新たな発見、研究成果が出てくるのではないかという予兆を感じさせるものともなっています。


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まず、ネットが主要な媒体となって久しい現代においては、よほど特殊な技能でも持っていない限りは、最低でも出版をしているとか、ネット上でそれなりの占有率を確保したHPblogを持っていない人はどんなに逆立ちしようが、事実上は存在していない人と同義であり、それは団体であってさえも同様なのです。

その上、ただの親睦会や講話会になると共同体としての作用が強くなり、研究はおろか、前回の内容さえも辿れないといったていたらくに陥って行くことになってしまうのです。

従って、自らの足を使い自らの目で確認し自らの頭を使うことなく、ネット上から拾ってきたどこにでもあるような学会通説に沿った話、人畜無害な民俗学的な話で終始するようになれば、独自性どころか新規の探究など全くなくなり、ただの世間話程度の価値のない団体になってしまう事になるのです。

この延長上に将来を見据え、“一体何のために研究を行うのか“という視点を持つことなく他人の話を鵜呑みにする事になるならば、筑後の古代史であろうが、九州全域のから日本全域の神代史の謎の解明など到底及ばない事になってしまうのです。

ましてや学会通説派の学者は元より、教育委員会、学芸員などは、探究心を持って研究する者などいるはずもなく、真実を探るには自らの作業に頼る以外には一切方法がないのです。

特に九州王朝論の立場からは、その中枢領域であるこの筑後から筑前、豊前、豊後、肥後、肥前、そして日向全域での調査研究が必要となってくる訳であり、最低でも故)百嶋由一郎氏が端緒を開かれた、九州王朝論の立場から見た神社研究体制の確立と、その成果の蓄積、公開、継承こそが望まれ、さらには、新たな発見や解明とへも繋がるものとなることでしょう。

恐らく、十数名による組織だったblog連合体=神社研究グループは、他に類例のないものであり、今後もまだまだ拡大する予感がしており、ここ五年ほどで短期間にネット上に登場した百嶋神社考古学は、好い加減なさもしい下級神官などには及びもつかない研究成果を残し、後世に引き継ぐことができるのではないかと考えているところです。

では、新たなblogをスタートして頂くことになったM氏の調査スタイルの一部を少しだけご紹介致しましょう。筑後全域にわたり数多くの研究を行っておられるのですが、中でも目を惹くのは、有馬が久留米に入府してきた直後に作成したとされる「久留米藩社方開基」の研究作業です。



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殆ど筑後地方には残存していないと考えられる貴重な資料であり、現在、我々が多用している「福岡県神社誌」よりも遥かに詳しく信頼性のおける資料ではないかと考えています。

これを神田の古本街から探し出し、現場と照らし合わせて整理されたM氏のご努力に改めて敬意を表明すると共に、新たに研究の戦列に加わって頂いたことに感謝致します。


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この資料と「福岡県神社誌」さらには「久留米市史」を突合させ、解読して行く事によって、本当の祭神が誰だったのかといった事が見えてくるはずなのです。さらに一部をご紹介しましょう。


二田の月読神社


福岡県旧浮羽郡田主丸町大字石垣 二田 御祭神 月讀命(つくよみのみこと)

由緒

天文3年正月(1534年)御原郡高橋城主 三原三河守長種の弟・次郎三郎が場内の月讀神社を、竹野郡二田村(現:久留米市田主丸町石垣 二田)に移す。



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実は、この神社こそ「先代旧事本記」に於いて筆頭とされる二田物部氏の筑後地方に於ける根拠地であり、ここから物部25部族が筑豊へと展開して行く事になるのです。

そうです、二田物部氏が筑豊(鞍手郡小竹町新多)に展開する以前に居た場所こそがこの福岡県旧浮羽郡田主丸町大字石垣 二田であり、この地で、月讀命(つくよみのみこと)を奉祭していたことが見えて来たのでした。

お話によるとM氏は四十年近く筑後地方の神社を調べられてきたようで、高々、十数年程度の神社遍歴しかない私など足元にも及ばない訳であり、ましては、神職でありながらまともに神社も調べたこと無いさもしい下級神官ごときが、本来、神社の話をするなどあり得ない事なのです。


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天物部等、二十五部人、同じく兵仗を泰びて天降り供へ奉る。

二田物部  和泉郡二田(前掲)  二田物部神社 新潟県刈羽郡

當麻物部  大和国葛下郡(葛木二上神社、當麻都比古神社)、肥後国益城郡当麻郷 奈良県香芝市

芹田物部  大和国城上郡、城下郡、平群郡

鳥見物部もしくは馬見物部 馬見神社 福岡県嘉穂郡嘉穂町、馬見古墳群 奈良県大和高田市

横田物部  大和国添上郡(和爾下神社)

嶋戸物部  高倉神社「大倉主命、菟夫羅媛命」 福岡県遠賀郡岡垣町、岡湊神社「大倉主命、菟夫羅媛命」福岡県遠賀郡芦屋町

浮田物部  筑紫国遠賀郡、近江国高島郡(宇伎多神社)

巷宜物部もしくは菴宜物部 伊勢国菴宣郡、土佐国香美郡宗我物部

疋田物部  秉田神社奈良県櫻井市、石神神社「布都御魂神」香川県大川郡引田町、(賣沼神社)鳥取県八頭郡河原町曳田 福井県敦賀市引田 東京都秋川市引田?

須尺物部もしくは酒人物部 東生郡酒人 鵲森宮、森の宮遺跡

田尻物部  和泉郡田尻 筑前国三池郡田尻

赤間物部  筑前国宗像郡赤間、長門国豊浦郡赤間

久米物部  堺市遠里小野町  伊予国久米郡

狭竹物部  筑前国鞍手郡、常陸国久慈郡  稲村神社「饒速日命」茨城県常陸太田市

大豆物部  旧五個荘村大字大豆塚*6  大和国城上郡豆越か(鳥越説)、肥前国三根郡(物部神社)、大和国廣瀬郡大豆村

肩野物部  片埜神社 大阪府枚方市、岩所(磐船)神社 星田神社 大阪府交野市 美作国久米郡 長者神社

羽束物部  有馬郡羽束郷(羽束神社?)山城国乙訓郡(羽束師坐高御産日神社)

尋津物部  住吉郡敷津村(敷津松之宮)*6 大和国城上郡尋津

布都留物部 淡路国三原郡 輸鶴羽神社(鳥越説)

経迹物部もしくは住道物部 神須牟地神社、中臣須牟地神社、住吉大社 大阪市住吉区、東住吉区

讃岐三野物部 御野県主神社 大阪府八尾市  讃岐国三野郡

      相槻物部 大和国十市郡両槻

筑紫聞物部 豊前国企救郡(籾山神社「直入物部神、饒速日命 ほか」)大分県直入郡

播磨物部  西長居町小字播磨田*6   ?物部神社 神戸市垂水区、可美真手命神社 神戸市西区

筑紫贄田物部 剣神社 福岡県鞍手郡鞍手


敬愛するHP「神奈備」による


この重要性を鑑み、太宰府地名研究会はM氏によるご案内を得て現地トレッキングを行う事にしました。

Blog公開時点では終了しているかもしれませんが、自らの足を使い、自らの目で確かめ自らの頭で考える行動する研究者の集団しか今後は生き残る事はできないと考えています。

教育委員会、学芸員に尾を振り、自らを売り込もうとするようなさもしい研究姿勢では所詮ただの親睦会として何の業績も、何の痕跡も残すことなく消失して行く事にしかならないのです。



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皆さんは、何故、熊本城の最奥部に昭君(王昭君)の間なるものが置かれているのかをお考えになった事があるでしょうか?加藤清正は確かに豊臣秀頼を迎え入れ徳川と一戦を交える気構えで熊本城を造ったと言われます。それは毒殺により実現しませんでしたが、恐らく、秀吉を受入れた木下家とは五七桐紋を使う名家であり、この栄えあるトルコ系匈奴でも呼韓邪単于(コカンヤゼンウ)の流れだったからこそ、昭君の間が置かれたのではないか…と言うのが我が百嶋翁の解読でした。これ以外にも、多くのお話ができるのですが、それはblogなどで。


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