377 甲羅弁財天をご存知ですか? “佐賀県佐賀市金立の金立神社”
20160801
太宰府地名研究会(神社考古学研究班) 古川清久
佐賀市の金立神社の一角に甲羅弁財天があります。これも七月の炎天下でのトレッキングで廻った神社です。
金立神社
祭神: 保食神、罔象女命、奏徐福
金立神社は保食神、罔象女命の子と母を祀る神社ですが、勿論、父神はスサノウの命となります。
その神社に甲羅弁財天が置かれている背景は上記の由緒以上のものを知りませんが、実のところ今回のトレッキングの御杖代であるN氏が選んだ金立神社よりも関心は甲羅弁財天に向いていました。
まあ、弁財天に準えられたのは宗像の市杵島姫ですが、重要なのは「甲羅」の方です。
前ブログでもふれましたが、故)百嶋由一郎氏は“佐賀の金立~久保泉にかけての領域こそ初期の九州王朝の最大根拠地であり、この一帯こそ甲羅(高良大社の高良も本来は甲羅なのです)と呼ばれた場所なのです”といった話をされていました。
この事に関しては、“脊振村の桂木にある一言主神社の一帯も甲羅という地名が以前は残されていた”と百嶋先生は言われていましたが、この金立もこの神々しい「甲羅」と呼ばれていた名残ではないかと考えているところです。甲羅は高良であり九州王朝の中心地だったと言う痕跡地名と考えています。