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197 ピナツボ火山(フィリピン)は“火の壺火山”

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197 ピナツボ火山(フィリピン)は“火の壺火山”

20150401

久留米地名研究会 古川 清久

古代史、神社研究、地名研究…といったものに取り組む毎日が続いていますが、いつ読んでも何度読んでも示唆に富んだイメージを与えてくれる本に、故渡辺光敏氏の「日本語はなかった」があります。

19961月に三一書房から出されていますから、約十年前の本になります。


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渡辺光敏のプロフィール

山梨師範(現山梨大学)卒。日本民族学会、日本地理学会会員。元韓国国立公州大学校客員講師、同大学百済文化研究所客員。東南アジア全域に渡る調査旅行(18回)。最近はヨーロッパへも調査の対象を広げている。また、百済義慈王と太子隆の陵墓を中国より移し、日本在住の子孫を祭主とした(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

                                「エルパカ」より


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今も、テーブルの上には氏の主要な著書が並んでいますので写真に撮ってみました(かなり持ち歩いているので傷んでいますが)。1914年の生年ですから百嶋先生よりもさらに一回り上の世代の研究者だったのですが、民族学会と言う利権構造のない研究に没頭されていたからか、出版が遅かったためか、また、天皇渡来説(朝鮮半島目支国沸流百済…)という「現在でも国賊扱いされる立場」だったためか、凄い知識と知見をお持ちだったにもかかわらず、あまり業績も知られず既に鬼籍に入られているようです。

このため、一般の邪馬台国論争、九州王朝論にも関わることなく、民間の研究者でもあまり知られていません。「日本語はなかった」は、一般向けに解り易く書かれた言語学、民族学、民俗学がふんだんに盛り込まれた本で、丁度、百嶋先生と同じスケールで、日本人のルーツ、日本語の起源、多くの民族が日本に流れ込んできている事を描いておられます。

まずは、頭の固まった神社庁や考古学会協会から国史学会の方々にお読み頂きたいと思うものですが、このような荒唐無稽な話は、言語学者などは無視するか眉を顰めるはずです。

「ドラヴィダ語起源説」といった大野 晋のような大家のものでさえ、好機とばかりに叩いた言語学会の事ですから期待しても無駄かもしれません。このような説を取り上げないのが学者のステータスと言わんばかりです。

では、ピナツボ火山(フィリピン)は“火の壺火山”の話に入りましょう。

世界的に見ても、fireファイアー(英)、Feuerフォイアー(独)、fuegoフェゴ(西)、huǒフォ(中)、fuoco フゥオーコ(伊)、feu フゥ(仏)、 ブル、プル(朝)、F音が認められます。

 これは、息を吹く時の口の形から派生したからと考えられますが、P音もその一つでしょう。


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まさに「ピナツボ」は「火の壺」ですね…


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次は「原」と書いてハル、バルと読む地名ですが、拙論は、久留米地名研究会のホーム・ページから「原(ハル、バル)」をお読みいただくとして、九州限定の原をハラとそのまま読む地名と、原(春、治、針…)をハル、バルと読む地名は全く別の語源の開墾地を意味するとするものです。

 渡辺先生もこの事に気付いておられますが、栃木県、茨城県の新治(ニイハリ)同様の地名が久留米市の東隣の浮羽市にも新治(ニイハル)として存在します。


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このニイハリ、ニイハル地名は、愛媛県の今治にもあるのですが、その底流に満州語のチチハルなどとの対応も考えておく必要があるでしょう。

 谷川健一も書いていましたが(「地名の古代史九州編」谷川健一 金達寿)、畑を耕しに行く事を「パリしに行く」とか、「開墾する」「耕す」を「パリする」というようで、未確認ですが、これは朝鮮語と同じとなるそうです(金達寿は何でも朝鮮語にしてしまいますが)。一般に、日本古語の「ハリ」「ハル」は開墾した土地を意味すると解すべきで、バリやバルになるのです。

 地名の話としてはここまでになりますが、百嶋神社考古学ではさらに掘り下げ、久留米市に編入された、旧田主丸町には「豊城」(トヨキ)があり、ここには、第10代と格上げされた自称神武こと崇神天皇の息子(皇位継承権など全くないのですから第一皇子じゃなく長男ですが)である豊城入彦が豊前から移動ししばらく滞在していた。その後関東に派遣された時に(四道将軍)、持ち出した地名がこの新治(ニイハリ)で
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あり、そもそも、「新」をニューとかニイとかニッと発音する言語特性(ヨーロッパ系)をもった民族が新羅から列島(勿論九州にですが)に雪崩れ込んでおり(宮崎県の航空自衛隊基地のある新田原ニュウータバル、可愛=エノ山稜で知られる鹿児島県薩摩川内市の新田(ニッタ)神社…、それらが関東に展開したと考えるのです(新田義貞もその一例)。

右は久留米市田主丸町豊城の交差点


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