381 久留米市にも大国主を祀る神社があった! “久留米市城島町の大己貴神社”
20160810
太宰府地名研究会(神社考古学研究班) 古川 清久
迂闊にもお膝元の久留米市に大国主を主神として祀る神社がある事に最近まで気付きませんでした。
特に、九州最大の大己貴神社が鎮座する福岡県筑前町の大字弥長に「日隅宮」という小字が存在している事に気付き(「日隅宮」ウズノミヤ 大国主の国譲りに絡み、高木大神から代わりの宮を建ててやると言われたものでしたが、現実にその宮らしきものがあった痕跡を見出しているのですから大変です)、いずれにせよ、「出雲神話の舞台が九州だった」という過激な仮説に於ける新たな物証を発見した思いなのです。
理由は簡単で、神社誌を丹念に洗えば直ぐに分かる事なのですが、中々そうは集中できず、特に久留米市と言っても、筑後川の右岸の佐賀県側の飛び地のような場所だから見落としていたのだと思います。
言い訳はこれまでとして、早速、「福岡県神社誌」(中巻)旧三潴郡(15p)を見る事にしました。
記述に従えば大己貴神社に多くの祭神が加えられた事が明らかで、正真正銘の大己貴神社であることが分かります。
残念なことに、猛暑で野良には一人の方もおられず、ヒアリングをするにもご迷惑をお掛けする事から、ここでは存在だけを明らかにして終わります。
ただ、現地が筑後川の氾濫原と言うよりも古代には海の底のような場所であることから、他地域からの入植は明らかで、どの地域からの移住者であるかを確認する必要があるでしょう。
従って、この神社が古代から鎮座しているなどと考えている訳ではないことは申し上げておきます。