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383 2016年真夏の津山の神社探訪 ① “岡山県鏡野町の上斎原神社”

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383 2016年真夏の津山の神社探訪 ① “岡山県鏡野町の上斎原神社”

20160818

太宰府地名研究会(神社考古学研究班) 古川 清久


猛暑にもかかわらずエアコンもスイッチを入れずに水風呂と二連扇風機でブログを書き続けていますが、さすがに真昼の二時、三時となると限界にきて快適なエアコンに当たりフィールド・ワークに出たくなります。

馬鹿げたオリンピックや高校野球の放送は生まれてこの方一度も見たことはありませんし、TVも局スタッフが休養するためにあらかじめ用意された盆休み用の安物番組ばかりが流されるだけで見るに値しません。

勢い、頼りはユーチューブだけとなりますがそれも何十時間となってくるともう限界です。

これまで、兵庫県の但馬地方には頻繁に入ってきましたが、その手前の津山一帯については丁寧なフィールド・ワークを行っていませんでした。

そこで意を決し、日本海側をのんびり東に向かって鳥取の手前の倉吉から人形峠を越え津山、美作へと入る事にしました。


383-1


この間、島根の印南、広島の安芸太田、岡山の真庭と辺境部ばかりを廻り物部の痕跡を辿ってきましたが、唯一残されたのが、津山、美作の一帯でした。

今回も猛暑の最中に二十社以上の神社を具に見て回りましたが、色々と小さな謎が解けていくという静かな快感にも浸っていました。

 フィールド・ワーカーは基本的には平道を走るべきですし、単なる移動ではなく「旅」を心がけるべきとしています。

 従って、平道を走りながら外気温をずうっと見続けていましたが、都市部から日本海側に入ると、それだけで35℃が31℃ほどに落ちますし、中国山地の山中に入ると朝方には峠越えの温度が21℃と快適以上の気温に降ります。

 中国山地のように針葉樹の割合が低く本来の広葉樹の森が残り、従って土壌と水分が保たれている領域では国土交通省や農水省が戦後70年掛かって引き起こしたヒート・アイランドの影響を免れ凡そ熱中症などという新造語が必要のない世界が広がっているのです。

 早朝6時に人形峠を通過した時点での外気温は21℃でしたから快適そのものです。

ここから神社探訪が始まりました。最初の神社は岡山県鏡野町の上斎原神社です。


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祭神はご覧の通りです。大国主と少名彦は良いとして、顕国玉神は「玉」が付いている事からヤタガラスのような気もしますが、多分、大國魂大神、宇都志国玉神同様、大国主の別名だろうと思います(重複表記ですね)。

敬愛する玄松子氏は、美穂津媛命を「三穂津姫神 みほつひめのかみ 高御産巣日神の御子。

『日本書紀』によると、出雲国譲りの後、高御産巣日神が大物主神に、もし国神を妻とするならば、あなたが心を許していないと思う。だから私の娘の三穂津姫をあなたの妻とし、八十万神をひきつれて、皇孫のために護り祀れと云った。出雲の美保神社に祀られており、美保の地名は、三穗津姫命によるものとする説もある。」とされています。大変参考になりますが、今回は玄松子氏に頼らなくても分かります。

 宗像三女神のお一人のタゴリ・ミホで間違いないでしょう。


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百嶋由一郎最終神代系譜(部分)


ただ、高木大神の娘ではなく長女の豊秋ツ姫とヤタガラスとの間に産れた孫娘(実は豊玉姫)なのです。

結局、この神社は大国主命を主神とする神社であることが分かります。摂社の配神も併せ考えると、大幡主の影響下にある大国主系の神社で良いと思います。

以下は、左右の境内摂社の掲示板です。


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