444 人吉盆地の最奥部で異彩を放つ白水阿蘇神社をご存じでしょうか?
20170206
太宰府地名研究会(神社考古学研究班) 古川 清久
人吉盆地と言っても球磨川の源流部の一つ、水上村の最奥部に白水阿蘇神社があります。
2月5日の多少雨模様の日曜日人吉盆地に熊本を対象に20人規模のトレッキングを行いました。
人吉と言えば青井阿蘇神社が頭に浮かんでこられる方が多いと思いますが、個人的には、多良木町の大宮神社、この白水阿蘇神社、相良村の雨宮神社、人吉市の矢具神社…が頭に浮かんで来ます。
表面的にも阿蘇系神社が少ないのがこの相良藩領人吉の特徴ではあるのですが、青井阿蘇神社、白水阿蘇神社という阿蘇の影が付き纏っています。
阿蘇神社も含めて阿蘇は後で覆い被さってきたものであって、その深層を見なければこれらの神社の本質は見えてこないでしょう。
「熊本県神社誌」見ても祭神は建磐龍外二神とそっけないため考えなければなりません。
普通に言えば、人吉の神社の中でも異彩を放つパワー・スポット中のパワー・スポット風の神社ですが(パワー・スポットとは、広告代理店まがいの連中が宣伝のために利用した造語であり、「霊力」の漲るポイントとでも言うのでしょうが、皆さん言葉に踊らされており、何時しか忘れ去られる所がほとんどなのです)、確かにロケーションと言い、祭神と言いその範疇には十分該当しそうです。
しかし、都市部からの距離と言い知名度と言い、容易にはアクセスできない事から、神聖性、清浄性、神秘性を未だに色あせることなく漲らせている一社です。
まあ、簡単には来る事ができないためか、十年前に来たとき以来、この雰囲気は保たれ続けています。
これは恐らくスサノウの関係で考えるべきでしょう。
この神紋は長崎県諫早市(旧南北高来郡)から島原市一帯に展開する四面神、温泉神社などに認められるもので、高木大神=高御産巣日神(タカミムスビノカミ)と考えているものです。
それ以外の拾える情報は、境内の少し離れた所に梅鉢の神紋が打たれた摂社があり、白水稲荷大明神が置かれている事ぐらいでした。
今のところ、推定でしかありませんが、白水阿蘇神社の祭神は、恐らく阿蘇白川水源の白川吉見神社の本当の祭神である罔象女(ミズハノメ)であろうと考えています。
熊本市を流れる白川の中国表記は白水ですし、その流れ出しの一つが南阿蘇の旧白水村(南阿蘇村)白川水源であることはご存じの事と思います。
ここでも、草部吉見系が覆い被さって来ていますが、祭神は、スサノウのお妃で豊受大神(伊勢外宮の主神)の母神である罔象女(龍神)であり、阿蘇高森の草部吉見神の義理の母神でもあるのです。
そう考えれば、摂社の白水稲荷大明神の存在も説明が着きますし、建磐龍が祀られる理由も説明が着くのです。
2017年2月5日 AM8:00~18:00
集合場所:熊本市東区戸島西1丁目29-3 ℡: 096-360-6671 ドラッグストアモリ駐車場
30~40人の参加になりますので乗合調整を行います 緊急時連絡 ℡090-3198-6731(柿木)
2017年年頭 月遅れ新春3社詣りトレッキング・ポイント
① あさぎり町 杉姫稲荷神社 あさぎり町免田東1837 現地は分かり難いため注意して下さい!
② 天子神社 深田天子水公園 深田に行き天子水公演を探せば駐車場は百台分あります。
③ 天子神社 あさぎり町久鹿838 役場そば
④ 大宮神社 多良木町黒肥地1278 神紋を見ても重要度は分かるがこれも旧天子のみたまやと!
人吉盆地全域には20~30ケ所に天子地名、天子神社、天子宮が散見されます。今のところ、相良氏入封以前の信仰圏の痕跡と考えています。百嶋先生もモーゼを祀るヘブライ系氏族の神社と言われていました。