501 見た目に美しい八幡社二題 ① “杵築市の若宮八幡社”
20170625
太宰府地名研究会(神社考古学研究班) 古川 清久
今回は国東半島の付け根の杵築市、日出町の二つの若宮八幡社、若宮八幡神社を取り上げることにしました。
国東半島は紀氏の領域と心得ていますが、それとは別にというか(当然無関係などではないのですが)、そもそも、半島付け根の杵築市、日出町は、杉原家、木下家と秀吉の正室ねね オネ(高台院)の縁続きの一族が封じられた土地なのです。
この一族は三五桐紋を使うのですが、この紋章は高良玉垂命(開化)のお妃であった神功皇后(仲哀死後)の神紋なのです。そしてこの若宮とはこのお二人の長子なのです。
若宮八幡神社 正面参道 カーナビ検索 大分県杵築市宮司336 ℡0978-62-3148
中でも興味を引いたのは、この飛天というかアンヘル(エンジェル)風のデザインです。
キリシタン大名の大伴宗麟のお膝元であり、イエズス会系の宣教師が闊歩していたからだろうと言えばそれまでですが、鶴の意匠と重ねたシルクロードの飛天のようなイメージも受けるのです。
この唐破風屋根の構造も高良神社に特に集中して認められる様式で、龍骨を持つ構造船(船底)を裏返しにしたようなデザインで、これ自体が外洋船を駆使していた倭人を象徴するものではないかと考えられるのです。
事実、久留米の高良大社に奇跡的に伝えられた「高良玉垂宮神秘書」(コウラタマタレグウジンヒショ)にもこの船底の龍骨を誇りとして残すという部分が出てくるのです。
この装飾瓦は圧巻としか言いようがありません
この玉(一個ですからまさか潮満つ玉潮干る玉ではないでしょうが)を持つ龍の瓦は素晴らしいの一言です。
石でも投げられない様に何とかできないものかと思うのですが心配でなりません。
これも「高良玉垂宮神秘書」に出てくる「黒龍紋」を意味しているのではないかと考えますが、これも思い付きだけの話です。