547(後) 火の君とは歴代の橘一族だった ③ 緊急提言 全国の九州王朝論者に告ぐ! “橘一族とは白族!”
20171225
太宰府地名研究会 古川 清久
村興し町興し宜しく、和泉(好字令以前の人ですから本来は泉姓なのですが…)式部と言い道祖王と言い全国に幾つかの伝承地がある事は十分に承知しています。このためその話に刃向うつもりはありません。
と言うよりも、それらの伝承地は当方のフィールド・ワークでも確認してはいるのです。
しかし、この肥前の火ノ君の領域の橘氏に関わる伝承には、八代の妙見宮と一衣帯水の文化圏と人の繋がりを感じるとともに、この杵島山周辺から有明海最奥部一帯に広がる濃厚な妙見(北辰)信仰、大幡主の子である龍王(=豊玉彦=ヤタガラス)龍神信仰を見る時、不知火海~有明海を大幡主系の支配領域と認識する事は十分に可能なのではないかと思うのです。
杵島山は古代には島だったでしょう。その南の端、八代の妙見に向かった岬状地は今でも龍王崎と呼ばれており、その先端には海童神社が鎮座しています(龍宮海童ですね)。
そして、この境内には対馬の墓制を思わせる「龍王崎古墳群」(群集墓)が存在しているのです。
横穴式石室と思われるものもありますが、小さな石を使った小さな石室だけの物もあり、積み石型の墳墓はやはり大陸から朝鮮半島を経由して国内に広がっていますが、後には広く全国に広がり東西日本でも多くの石積みの古墳が見られます。この群集墓は古墳に発展する古墳時代の方墳や円墳、前方後円墳などの原型のように見えます。
この手の土の代わりに石を多用し岬に葬る古墳は対馬でも幾つか見たことがあります。
この点、大幡主=塩土老翁の子であるヤタガラスこそ対馬の海神神社or和多都美神社の主神=龍王と考える者としては、長崎県でも橘姓が集中する対馬には興味がひかれるのです。
このヤタガラス=龍王(神仏混交風には八大龍王)説については、イヅノメ神=豊玉姫(通説とは異なる鴨玉依姫のこと)の解析が役に立つと思います。ひぼろぎ逍遥(跡宮)から以下を参考にして下さい。
438 | 伊豆能売の神とは何か? ⑥ “伊豆能賣の中間調査を終えて思う事” |
437 | 伊豆能売の神とは何か? ⑤ “伊豆能賣は 何故「イヅノメ」と呼ばれたのか?” |
436 | 伊豆能売の神とは何か? ④ “遠賀川左岸に伊豆能賣を発見した ”遠賀町の伊豆神社“ |
435 | 伊豆能売の神とは何か? ③ “遠賀川右岸の二つ目の伊豆神社の 元宮か?”久我神社 |
434 | 伊豆能売の神とは何か? ② “二つ目の伊豆神社” イヅノメの 神が少し分かってきました |
433 | 伊豆能売の神とは何か? ① “遠賀川河口の両岸に伊豆神社が並ぶ” |
最後に、佐賀県南部の海岸線(干拓があまりにも延びていますが、古代の海岸線周辺も含めて)には多くの海神神社、海童神社、龍王神社があります。
普通の道路マップでも確認できますので、改めて「龍王」とか「八大龍王」とか「八龍神社」が何であるかをお考え頂きたいと思います。