スポット194 ことしもそのうちやってくる真夏の都市型豪雨も国土交通省が引き起こしたもの ②
20180720
太宰府地名研究会 古川 清久
既に、夕立の仕組みについては前ブログで取り上げましたが、昨今、東京や大阪などの臨海部で大都市型の集中豪雨が起こっている事は皆さん良くご存じの通りだと思います。
ここ数年、日本各地で目立っているこの現象、中には特大級の雹が降ってくるなどこのタイプのゲリラ豪雨は一向に収まる様には見えません。
しかも、単に暑い日ばかりではなく、普通の日でも発生しているようなのです。
このことは、仮に冬場の寒い日であったとしても、周りよりも際立って暖かければ、雨や雹が降ってくるようで、その原因はスポット的に巨大な上昇気流が発生すれば何時でも起きるようなのです。
現在のコンクリート化された都市の表面には水気が全くありません。
それを敢て探そうとすれば、地表を走り回る車の排気ガスに含まれる水分(炭とは異なり炭化水素は燃焼によりCO2と水を発生させる)や、僅かに残されたオアシスである鎮守杜の境内程度、ひたすら走り回る宅急便のドライバーの汗や、コネがないだけで就職にあぶれた優秀な学生の涙に、品性の低い中国人、韓国人観光客が撒き散らす立小便…ぐらいしか思いつかないのです。
それほど、現在の都市はコンクリートで覆われ、河川まで蓋がされてしまい、使用される膨大な量の水にも拘わらず大半が下水道を通って地下に深く押し流され続けているのです。
昔は神田上水や水道橋などという優雅なものがあったのでしょうが、上水道でさえ奥多摩などの遠い山奥ダムから持ち込まれる上水道も水管橋や地下管路に変わっているのです。
もはや都市で消費される大量の上水の多くが地下に潜り、延々と数十キロも地下の暗闇の中を通ってくるのですから、ここからの蒸散など期待することは不可能なのです。
最大の問題は、地表がコンクリートに覆い尽くされ、地面の保水性といったものがほぼ失われた上に、最低でも地表に還元されることが期待できるはずの排水さえもが下水道管という地下を通る魔物に吸い取られているのです。
こうして、極限まで奪われた都市表面の水分はいつしか夕立の材料であることを止め、当然ながら夕立は消え去り地表は雨によって冷やされることもなく熱帯夜の連続の中で加熱され続けることになるのです。
勿論、本来、自然な熱循環に寄与するはずの都市排水は暗闇の地下管路を通り下水処理場という限られた場所だけで蒸発しているのです。
都市部でこの構造を造りだしたのは、只々、国土交通省であり厚生労働省だったのです。
そもそも国土交通省の技術屋などと言うものは、退職金と年金と大手ゼネコンに天下りすることしか考えていない上に、物理や化学と言ったものが分からない連中だったから土木をやっているのであって、当然と言えば当然ですが、今後も「打ち水大作戦」なる恥知らずなイベント以外打つ手を持ってはいない事から良く分かるでしょう(詳しくは太宰府地名研究会のHPや「環境問題を考える」のサブ・サイト「アンビエンテ」から「打ち水大作戦の大間抜け」「熱禍」外をお読みください)。
都市型豪雨はなぜ起こっているのか
では、地表から水が消えた大都市で、どうして都市型豪雨が頻発しその水はどこからもたらされているのでしょうか?
言うまでもなくその原因は、今やフライパンと化した都市の構造にこそ原因が求められるべきであり、それをもたらした主因が、下水道の整備と都市舗装化、さらには三面張り水路で水が一気に海へと押し流されていることによって水循環が破壊され都市表面が乾燥され続けていることにあるとすれば、この水循環を破壊した国土交通省、厚生労働省…にあることは明らかでしょう。
国土交通省などによって極端に乾燥化された都会の地面からは一方的に上昇気流が発生します。
これは、単純な物理法則であって官僚の言い訳(都市整備の在り方は我々の所管ではない…云々)は一切通りません。極論すれば、熱帯夜、熱中症で死に追い込んだのは国土交通省なのです。
当然にも暑くなった都市は、最も熱せられた場所から一気に上昇気流を発生させます。
もし、そこに湿った大気が持ち込まれたとすれば、どうなるかは言わずもがなであり、熱せられきったカンカン照りの夕方に、仮に海から南風が吹き込みその上昇気流に湿った大気が巻き込まれたとすれば、水蒸気を含んだ湿った大気(大半は太平洋ベルト地帯では福岡などを例外として南の海からしか持ち込まれない)は一気に高空へと持ち上げられ続け、高空で一気に冷やされ地表に大雨や時として、また、大型の雹となって降ってくるのです。
そうして、一時的に地表は冷やされるのですが、それらは、また一気に地下の大型下水道などに吸い込まれ、たちまち乾燥してしまうのです。
お分かりでしょうか?これが戦後70年間掛かって国土交通省がやったことだったのです。
こいつらは、未だに何をやっているかが分かっていないのか、さも良い事でもやっているかのように地下水道を造り続け大手ゼネコンに税金を流し込み続けているのです。
その証拠に、さも誇らしげにこの大間抜け共は地下にトンネルを掘り続けているのです。
まず、この自らが犯した失策への反省がない限り、彼らは大型地下水道を造り続け、ゼネコンに天下りし、ホームレスやエアコンも節約する老人たちの苦しみを尻目に、自分たちだけは避暑地の別荘で快適な夏を楽しみ続けることになるのです。既に熱中症により倒れた者は万余りとなり死者も二桁を越えたのです。これが国土交通省がやったことなのです。
山で雨が降らなくなった
ここで、驚愕のシナリオが描けることになるのです。皆さんお分かりでしょうか?
問題となるのは夏だけでもないのですが、日本の夏は基本的に南から風が吹きます。
このことは、南の太平洋から大量の湿った空気が運ばれ続けていることを意味しています。
通常はこれが列島の脊梁山脈で持ち上げられ山岳地帯を中心に多くの雨が地表にもたらされ、海岸部に発達した都市に流れ下っているのです。
このため、山岳地帯を中心に今までにも必要以上のダムが造り続けられて来たのでした。
ところが、都市型豪雨によって大都市は大雨が降るものの、渇水期を中心に大都市から遠く離れた山のダムには水が溜まらないでカラカラといった話が面白おかしく報道され続けています(今年も同様で関東でも取水制限が始まりました)。
これが、面白い話で済む間は、ただの一時的な環境異変で済むのでしょうがそれでは済まないのです。
極端に言えば、太平洋ベルト地帯ではヒート・アイランドが止まる様子を一切見せず、南の海からもたらされた真水の元となる雨は列島の縁とも言えるウオーター・フロントの大都市の臨海部ばかりで巨大な豪雨となって降り、貴重な真水はそのまま海に押し流され、山岳地帯のダム周辺では雨が減り続けているという奇妙な現象が発生しているのです。
この現象が長期的に続けば、山岳地帯からその裾野である農村部一帯はにさらに乾燥化し、穏和で多彩な日本の風土が決定的に失われて行くことになるのです。
つまり、上昇気流が絶えず起こり続けている海岸部に巨大な熱せられた空気のカーテンが発生し続け、列島脊梁山脈の奥地に南からの湿った大気の進入する事をブロックし続けていることになるのです。
この馬鹿げた巨大な現象が、戦後70年掛かって不可逆的に起こり、豊かな日本の風土が失われ続けているのです。
もうお分かりでしょう、現代の関東軍とも言うべき国土交通省は、戦前の軍部と同様に国家の中に国家を造り、日々、日本列島を究極の破滅へと追い落とし続けているのです。
これが、水循環、大気循環、熱循環という物理法則の基本も分からないで、安易で金儲けに繋がる土木を目指した国土交通省の連中が日本にもたらした巨大な変化だったのです。
最大の問題は、彼らにそのことの認識が全く存在しない事です。気違いにというより間抜けに危険な刃物を持たせた事になるのです。
こいつらはただただ水を押し流し地表を乾燥化させることしか考えていない
その証拠こそが、優雅に見えるだけの「打ち水大作戦」なのです(もしも自覚があればこんな恥知らずなチャラチャラしたイベントは間違ってもできないはずなのです)。
あたかも、都市の乾燥化は自分達がもたらしたものではないと考えているのか、それともそれを装っているかのようなのです。
問題の認識、自らの責任という自覚こそが改善への一歩なのですが、その自覚が全く存在しないことが、この馬鹿げたイベントに表現されているようです。
早晩、このたちの悪い連中によって再び列島の民はもっと酷い辛酸を舐めさられることになるでしょう。