スポット141 林野庁の照れ隠し “朝倉針葉樹林崩落の問題隠しとしての残木伐採”
20180119
太宰府地名研究会 古川 清久
2017年の初夏を襲った朝倉~日田に掛けての豪雨災害(九州北部豪雨)については、これまでにも多くを書いてきました。
朝倉の崩落地の遠景
スポット112 朝倉~日田が犠牲になった九州北部豪雨災害は行政が引き起こした!
スポット115 山に木がある方が安全だと思い込んでいる人に対して! 本当に豪雨が原因なのか?
スポット116 災害復旧に意味があるのか!
スポット117 ヒート・アイランドを引き起こした無能な国土交通省 “熱 禍”
スポット122 大量の土壌流出と木材流出は今後も継続する“平野虎丸ブログのご紹介を兼ねて”
スポット123 筑後川の南から北の被災地を眺める 悲しい棄民国家の現実
“ここでも「災害地名」が意味を持っていた「道目木」「梅ケ谷」”
スポット125 朝倉から日田にかけての山々の行く末について
スポット128 林野庁が引き起こした九州北部豪雨災害によってとうとうJR日田彦山線までもが廃線に!
従って、今回の話はその続編となります。
秋には気づいていましたが、多くの被害を引き起こした朝倉の山田パーキング辺りから杷木インター辺りに掛けての崩落地の多くが、いつの間にか北朝鮮の委員長のような頭に刈り上げられていることに気付きました。
杷木インターに近い朝倉市杷木町の筑後川左岸から北を望む 黄枠は皆伐地です
口先では「針葉樹と広葉樹に保水力の差はない」とか「長期の保水力の調査を行ってみても針葉樹林地と広葉樹林地からの流出水量に差はない」(これは数百年千年と言う単位で培われた広葉樹林地を伐開して針葉樹林地とされた土地に針葉樹を植え管理したものを短期間調査したものであって、所詮、その土壌は広葉樹林が生み出したものだからでしかないのですが…つまり広葉樹林の遺産としての腐葉土の豊かな土壌のおかげなのです)などと言っておきながら、超伐期施業宜しく育成(実質放置)した50~60~70年生の人工林地で崩落しないで留まった(今後崩れてくる予備軍)も含めて一気に伐採しているのです。
安全だとか、伐開するよりも森がある方が余程安全だ!などと言ってきたのならば、残しておいた方が良いはずなのに、慌てて皆伐してしまっている事は、林野庁自身も今回の豪雨災害が、自らが引き起こしたものであり、針葉樹林そのものの害悪もさることながら最悪の超伐期施業による放置林が今後とも崩落し続ける事に気付いた事からこそ慌てて災害復旧事業として皆伐へと踏み切った事がはっきり丸分かりになってしまったのでした。
恐らく地元では「今後も雨が降ればいつ崩れて来るか分かったものではない!」「このままではこの土地には住み続けられない」「今崩れているところの隣からどんどん崩れてくるに決まっている!」「災害復旧などしたって何の意味もない…」といった怒号が飛び交った事でしょう。
まず林野庁の官僚どもとは、①針葉樹林が危険極まりないものである事を十分に分かっていながら、針葉樹を植え続けるべきだと言い続ける確信犯的な大嘘つきの売国奴なのか?②中国以外に売る事も出来ない針葉樹を植え続けるべきだと思い込んでいる本当の馬鹿なのか?③どんなに嘘をつこうが、自分さえ良ければ人はどうなっても良いという目先の利害しか関心のない連中なのか?と思っていましたが、いち早く刈上げ作業を行った事から考えれば、林野庁の政策決定を行った連中も、本当は①の国民を欺く確信犯的売国奴であった事が明らかになったようです。
勿論、末端の小役人どもは、③のその場しのぎで何の考えもない人間なのでしょうが、一番始末におえないのが、県の林業課辺りに巣食い現場にも入らずに、大学だけで林学を齧った連中で、②の針葉樹の有用性を信じ込んでいる間の抜けた林学の徒なのでしょう。
しかし、北朝鮮の将軍様の様に、今も上の方には超樹齢の売れない運べない大木が崩れる順番を待っている状況には変わりはありません。
このため、作業用仮設道路に水道ができ、今後もそこに雨水と土砂と倒木が流れ込み崩落が続く事になるでしょう。
都市生活者とか業種の全く異なる人々にはほとんどお分かりならないと思いますが、当面、目先の危険性が一時的ながら回避されることにはなりました。しかし、問題は残っているのです。
それは、今後も針葉樹の苗を植え、再び50年後60年後の大災害を準備するという計画だからなのです。
その理由は、今回の大災害が“決して針葉樹が原因ではない”という事を言わんが為だけに、またもや誰も管理しなくなる、売れもしない危険極まりない針葉樹林を維持して行くという方針だからです。
いずれ、50~60年後には再び崩落すのですが、その頃にはその政策を決定した森林組合、市町村林業課、県林業課、林野庁の馬鹿の4乗、大嘘つきの4乗である関係者どもも、自らの無能さのせいで犠牲となった被災者を横目に天下りしてぬくぬくと人生を全うすると同時に、この無用な林業と言う何の価値もない利権構造を維持できる事になるのです。
可愛そうなのは天下りの腐敗官僚とは全く別の人生を送る事になり、シミッタレタ義捐金しか貰えない被災者ばかりなのです。
一応、ネット上には、まだ、この問題についての記事が残っていました。これほどの大問題でありながら、一般にはあまり理解されてはいないようですので、二本ほど読んで頂きましょう。
林業の悪循環、防災に影 人工林管理、行き届かず
2017年07月17日 16時04分
上流域から根が付いたままの巨木が流れ、集落を襲った=12日、福岡県朝倉市杷木林田写真を見る写真を見る
福岡県と大分県の豪雨水害は、土砂崩れによる大量の流木が被害を拡大した。被災した集落には根が付いたままの大木が広範囲に横たわり、人工林のもろさを印象づけた。
一帯は林業が盛んな地域。流木の原因をたどると、日本の林業が克服できていない課題に行き着く。
福岡県朝倉市の杷木林田地区。安否不明者の捜索現場のそばに、流木が山積みになっている。5日の豪雨では、上流から流れてきた木々が橋桁や欄干に引っかかり、そこに土砂がたまって川があふれた。
中には直径50センチ、長さ10メートルを超える大木もある。枝はなく、樹皮は剥がれている。土砂とともに流れる間にぶつかり合い、丸太になったとみられる。福岡県の推計によると、朝倉市と東峰村の流木は少なくとも20万トンを超える。
なぜ、これほど大量の木々が流出したのか。地元の林業関係者や専門家は複合的な原因を指摘する。
朝倉市や隣の東峰村の山あいは、地表の近くに花こう岩が風化した「まさ土」が堆積しており、大量の水を含むと崩れやすい。
そこに植えられたのは、根を深く張らない針葉樹のスギやヒノキ。種子から成長する場合は深く密集した根を張るが、人工林は挿し木から育てるため、根は浅く、密度も低い。木を真っすぐに育てるにはある程度密集させるため、根は広がらない。
今回は短時間に記録的な雨が降り注ぎ、地表面のもろい地層が木々と崩れ落ちる「表層崩壊」が同時多発的に発生した。面積の86%が山林で、スギの人工林が多い東峰村の渋谷博昭村長は「国策で植林したが、今は伸び放題。雨が降るたびにおびえなくてはならない」と苦境を訴える。
(自ら旗を振っていながら今さらなにを… 古川)
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流木や倒木による災害は5年前の九州北部豪雨をはじめ、何度も起きている。その背景には、長く続く林業の悪循環がある。
国は高度経済成長期の木材需要の高まりを受け、全国で植林を推進した。スギの人工林はその象徴だ。木材輸入の自由化、木造住宅の需要低下などの影響で、1980年代以降は国産材の価格が低迷。伐採期を迎えた木が半ば放置されている地域もある。
今回の被災地の林業関係者も「木材の価格が安すぎる」と口をそろえる。スギ(中丸太)の価格は、1立方メートル(直径50センチの材木4メートル分)当たり1万円強。ピークだった80年の3割程度まで下がった。
価格の低迷は、林業従事者の減少に拍車をかけた。国勢調査によると、60年は44万人だったが、2015年は5万人を割った。高齢化も進む。
人工林は木が真っすぐ成長するように、数年おきに適正な間隔を空けるための間伐が必要だ。シダやササの下草が生えやすくなり、表土の流出を防ぎ、保水力を高める効果もある。だが林業従事者の減少で間伐が行き届かず、樹齢40年以上の木も残されている。
人手不足を補う機械化に合わせ、森林に重機が通れる作業道が整備されたが、朝倉市の林業関係者は「雨水が作業道に流れ込んで川や滝のようになり、倒木や土砂崩れを引き起こす一因になった」とみている。
林野庁は流木災害の構造や減災対策を探るチームを初めてつくり、近く現地を調査する。治山課は「被災地域は林業が盛んで、森林の手入れをしていたので、このくらいの被害で済んだとも言える」との見方を示し、流木を止めるくし状のダム(スリットダム)の設置などを検討する方針だ。
東峰村の渋谷村長は、森林が下流域の水源を養い、川から海に栄養を与える機能があることを強調。「植林を推進した国は現状を改善する手だてを示してほしい」と要望する。
◇ ◇
●防災の観点で森林整備を
九州大大学院の久保田哲也教授(森林保全学)の話 今回は樹齢40年を超えた大木が、豪雨に耐えられずに倒れて被害を拡大させた。一斉に植林すると、根の深さがそろってしまうので、根の下の地層が弱くなってしまう。
いまさら拡大造林の失敗を指摘しても始まらない。国はこれを機に、産業としてではなく、防災の観点で森林整備に取り組むべきだ。伐採した後は自然林を育て、危険箇所には治山公園を設置するなどの対策が必要。そうしなければ同じ惨事を繰り返す。
この記事は2017年07月17日付で、内容は当時のものです。
「いまさら拡大造林の失敗を指摘しても始まらない。」も御用学者の一流の言いまわしですね…自己保身だけはきっちり守っておられるようです。
九州北部豪雨災害 間伐不足が被害拡大
森林、人工林の復活に間伐材の活用を多くが伐採の適期 経済性をどう取り戻す
九州北部を襲った豪雨災害では限られた地域に猛烈な雨が降り、福岡県朝倉市や東峰村山間部のいたるところで表層崩壊が発生、大量の流木が中小河川を塞き止め被害が拡大した。記録された雨量は24時間で500㍉を超え、「30年に一度」、「50年に一度」といった豪雨を前にすると、人間の社会活動が地球温暖化―異常気象の大きな原因となっているのは最早、疑いようがない。
(これは大笑いですね…CO2温暖化論をまだ信じておられる方がおられるのですね…、ただの原子力マフィアと組んだ国家によるデマでしかないのですが、それほどの豪雨ではなかった事は以下で書いていますのでお読み下さい!)
スポット112 朝倉~日田が犠牲になった九州北部豪雨災害は行政が引き起こした!
スポット115 山に木がある方が安全だと思い込んでいる人に対して! 本当に豪雨が原因なのか?
同時に今回は、これまでの災害で見られなかった圧倒的な流木が被害を一層、大きくした。報道などによると、この地域の山間部は風化しやすい火山性の地質で、猛烈な雨により、いたるところで表層崩落が起きたのが原因とされ、間伐など手入れの行き届かない人工林の問題も改めて浮き彫りになった。
わが国は国土の67%が森林、うち約40%は人工林と言われる。温暖化の進行で豪雨は今後も起き、人工林の手入れが行き届かない現状では、特殊な地質でなくとも、同様の災害は避けられない。間伐材のバイオマスエネルギーへの活用など森林を復活させる取り組みが改めて急務となる。
根が付いたまま流れ着いたスギの大木
九州山林管理局などの調査によると、土砂崩れは朝倉市と東峰村の山間部約300ヵ所で発生、大量の土砂と流木が10の河川に殺到。橋に引っかかる形で川をせき止め、あふれた濁流が地域を襲った。福岡県は流木の量を36万立法㍍、20万㌧としているが、土砂に埋まったままの流木や海に流された分は含まれず、実際の量はもっと多いと推測されている。
朝倉市杷木地区で支援活動に取り組む日本財団メンバーによると、近く流れる寒水(そうず)川の長さ7~8㍍の若鳩橋周辺にも大量の流木が重なり、流されるうちに表皮がはがれ、根が付いたままの流木も多く、中には直径70㌢、長さ15㍍にも成長した巨木も目に付くという。この地域は林業もさかん、人工林からも大量のスギやヒノキが流出したと見られている。
▼建材として出荷までに70年
全国森林組合連合会のWebサイトなどによると、人工林は戦後、全国的な造林運動として造成され、成長が早く、密集して植えることでまっすぐに育つ特性を持つスギやヒノキ、マツなど針葉樹が植えられた。最も多いスギの場合だと、最初に1㌶当たり3000本前後の苗木を植え、木の生長に合わせ数年ごとに間伐を繰り返しながら適正数を保ち、最終的に500~600本まで間伐する。
最初の5~7年はつる草の除去など下刈り作業。8~10年頃から育ちの悪い木や邪魔になる広葉樹などを伐採し、10年過ぎから木を真っすぐに成長させるための枝打ち作業を進め、高級建材として最終的に出荷できるまでに70年近く掛かる。この間、15年目ぐらいから間伐材でも一定の商品価値が出るが、当初は何の価値もなく、ひたすら気の遠くなるような作業が続く。
▼80%以上が間伐実施せず
森林の70%以上は個人が所有する私有林。多くが植林後60~70年、伐採の適期を迎えているが、安価な外材に押されて値崩れし、建設ラッシュにもかかわらず、2000年の立木価格は20年前の34%まで落ち込んでいるという。かつて薪や木炭として使われた間伐材は石油やガスに代わり、一方で伐採に掛かる費用や苗木価格が上昇。人手不足もあって、同年の調査では、3ヘクタール以上の森林経営者のうち82・3%が間伐を実施していない、と答えているという。
森林は手入れを怠れば、葉が茂っている樹冠部分が重なって地面に光が射さず下草が生えない。結果、栄養を含んだ土は雨に流され、根が十分張らないため幹が太らない線香林が増え、風雪害で折れ、大雨で根こそぎ流される。針葉樹は広葉樹に比べ根が浅く、九州北部の豪雨災害では、崩れやすいこの地特有の地質も加わって、圧倒的な豪雨に耐えられなかったようだ。
現状のままでは、森林、特に人工林の経済性は成り立たない。しかし森林の保水力や水質浄化力、さらには今回のような表層崩壊の防止力を見込めば、抜本的な森林対策、人口林対策を進めることで得られる価値は限りなく大きい。しかも「〇〇年に一度」といった豪雨は、今後も間違いなく頻繁に起きる。
間伐材をバイオエネルギーとして活用する試みも進んでいると聞く。東日本大震災での東電原発事故を受け、原子力エネルギーの活用が難しい情勢にある。間伐材を有効に活用する道は十分あるのではないか。そうすれば森林や人工林の手入れを復活させる道も開け、災害対策だけでなく地域おこしにもつながる。未曽有の豪雨被害を前にそんな思いを強くする。(了)
“針葉樹林が豪雨災害の原因ではない”という事を言い続ける必要性があるというその一点だけで、今後とも将来の災害の原因を創る馬鹿げた再植林が行われることになるのですが、最早、元のような針葉樹林は再生しないであろうと考えています。
本来、広葉樹の森が卓越する気候風土の地において植林を行い、一定の森にするためには、それ相当の継続した労力を投下する必要性があります。しかし、少子化と労働力の現象の中で、今時山に入り根気のいる下草払いや、危険な間伐作業を行う若者が出て来るとは凡そ考えられないのです。余程高性能で効率的な林業ロボットでも普及しない限り、列島での人工林の維持はおろか再生産など全く不可能だからです。
既にこの半世紀の間に林業従事者は十分の一に減っています。
もうしばらくすると、高齢化によって現在の林業に携わっている世代が総崩れになるはずです。
筏流しもキンマも修羅も策道さえも知らない人々が中心になってしまうのです。
こうして、林業従事者の組織的崩壊によって、せっかく植えた無駄な植林も、早晩、元の広葉樹の森へと戻って行くことになるでしょう。
こうして、林業という馬鹿げた産業の世紀は百年程度で終わる事になるはずなのです。
そのためには、まだまだ、第二の朝倉、日田が発生する必要があるのかも知れません。
そして、林野庁は嘘をつき続ける事でしょう。
彼らは国家のためにも、国民のためにも、国土のためにも、国民経済のためにも一切働いてはいないどころか、被災者の犠牲にも何一つためらいを抱く事も一切無く人生を終えることになるのです。
実に素晴らしい価値ある人生と言えるでしょう。