269 草部吉見神社近郊の神社 高畑年禰神社の衝撃 ①
「ひぼろぎ逍遥」、「ひぼろぎ逍遥」(跡宮)共通掲載
20151124
久留米地名研究会 古川 清久
同社参拝殿
カーナビ検索 熊本県山都町高畑
次に向かったのは、もう一つの気になった神社「年禰社」(幸福社と読むのではない)です。
これは、正真正銘の初見の神社です。ネット上にも一切資料が無く、神社庁のデータを見ても、どうせ、阿蘇系神社としか出てこない事でしょう。
幸いな事に、この神社に関しては金石文とも言うべき石に刻まれた立派な由緒書が置かれていました。
堀川(普通は河を使いますが)天皇とは平安末期1100年代の天皇ですから、それなりの神社です。
勿論、国龍命とは草部吉見の彦根八井耳の別名なのです(百嶋「阿蘇のご一家」系図参照のこと)。
由緒にある通り、「高畑年禰神社」とは、草部吉見神社紛れもない分社であるに違いありません。
百嶋由一郎神代系譜(「阿蘇ご一家」)
ただし、何故「年禰社」と呼ばれているのかは分かりません。また、「社」に点が付されている事も意味がありそうです。周辺の地名高畑と併せ、高辻の「高」が高木大神の地であったことを示しています。
鳥居は新調されていますので、その起源は新しいのではないかと思いますが、付近にも人がおられず、聴き取りもできない事から、阿蘇にも菊池(川流域)地名研究会の女性メンバーがおられますので周辺調査をお願いしたいと考えています。
ただ、神殿を見てたまげました。千木が横切り(内切り)されていたのです。
草部吉見神=春日大神=鹿島大神…が女性神であるはずはないのですから、由緒の「草部吉見神社ノ分社」とはどのように考えても齟齬を来たしているのです。
これを伊勢神宮内宮の某神官の方々のように、「良く千木で神様を男か女かを判断される方がおられますが、それは素人考えで誤りです…」と浅薄な短絡をして嘲笑される向きがあるのですが、それは全くの誤りで、表面的には男神であっても実際には女神を祀る事は十分に理由があるのです。
この神社に関してもちゃんとした意味がある事は次稿をお読み頂ければお分かり頂けることでしょう。