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270 草部吉見神社近郊の神社 高畑年禰神社(幸福社)の衝撃 ②

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270 草部吉見神社近郊の神社 高畑年禰神社(幸福社)の衝撃 ②



「ひぼろぎ逍遥」、「ひぼろぎ逍遥」(跡宮)共通掲載 20151124


久留米地名研究会(神社考古学研究班)古川 清久

270-1

高畑阿蘇(年禰)神社正面

 

神殿の千木が女神を意味している事が分かった瞬間、この神社の性格がおぼろげながら見えてきました。

百嶋先生は、“草部吉見は高木大神の一族が支配していた三田井(高千穂)~阿蘇~島原(長崎県の南、北高来郡)に侵入し、高木一族への有力な入婿となっている”“草部は、クサカベ=草が部と読まないと意味が分からない、草とは伽耶を意味しており、伽耶を支配していた高木大神(伽耶が部)の傘下に入った”

つまり、全く異なる民族である高木大神の娘を妃とする事を持って一族への入婿となった彦八井耳を祀る神社もあれば、先住者の高木大神系の集落に於いては、彦八井耳を表に掲げ祀るものの、本当はお妃様を奉祭している(合せて祀る)はずで、どうやらこの神社もその一つだった事になりそうなのです。

千木を確認した後、境内社を探すと、普通にお参りのできる立派な祠が置かれていました。

このような立派な人形の置かれた社には、七支刀のレプリカントが置かれた旧瀬高町大神の「こうやの宮」がありますが、これを見てまた驚きました。

阿蘇には珍しい赤い鳥居が置かれた三神を中央に、向かって右に菅原道真公と思える男神、向かって左に生目八幡が置かれていたのです。


270-2
270-3

 

この境内摂社(これも摂社かどうかは確認していませんが)の解釈について二つの仮説を出させて頂きます。

 

境内摂社を本来の主神である栲幡千々姫命と考えた場合

 

 主神は人形がない真中に置かれていたはずの栲幡千千姫命=タクハタチジヒメ(草部吉見の妃=高木大神の娘)はある時代、朝鮮人と考えられ摂社に移されていたが、今は神殿に戻されている。

 草部吉見のお妃の系統の一族として摂社の真中に残された二神が弟の瓊瓊杵尊=ニニギ(右)と姉の豊秋ツ姫に相当する。つまり、真中は高木大神の三人の子に相当する。

 両脇の二神の向かって右は、菅原道真とされるが藤原により祀る事を受け容れたもの。

 両脇の二神の向かって左は、生目八幡宮とされるが草部吉見とタクハタチジヒメにとってはひ孫に相当する神であり同時に垂仁天皇に相当する。

 明治維新後の神仏分離令以降の情勢にあわせ、草部吉見=孝昭天皇を表に出した際に不都合な五神を摂社として移したものかもしれない。

 

境内摂社が本来の主神である辛国息長大神大目命と考えた場合

 

 まず、錦山大御神が如何なる神か全く分からない。

 「玄松子」「神奈備」でダブル検索すると飛騨高山に物部守屋大連命を祀る神社が出て来る。

 物部守屋大連命が何故阿蘇のこの地に祀られるか理解できない。

 守屋宮と稲荷社は無関係ではありえないため、摂社の中央に赤い鳥居がある事と対応する。

 すると摂社の中央が辛国息長大神大目命となり草部吉見神のお妃として対応する。

 この場合、中央三神の右の男神は稲荷と草部吉見の間に産まれた御年神(景行天皇の父)になる。

 ただし、稲荷神はスサノウとミズハノメの間に産まれた神であり、この地が高木大神の土地である事と齟齬を来す。

 スサノウ系とすると摂社右端の菅原道真と対応する。

 

いずれの場合も神殿の千木が平切りされている事とは対応する。

中央三神の左端の色が落ちた神が何者かが分かれば全体が解読できる。

五神右端が菅原道真であることは写真では見えないものの、木材に梅鉢が描かれているので間違いない。

従って、左端も生目八幡も間違いない。

今のところこれ以上は解読できない。ただ、この神社の解読は重要であるため今後とも調査を続けたい。


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高木大神ファミリー(ニニギ、タクハタチジヒメ、豊秋ツ姫)□ に入婿となった草部吉見神 




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稲荷様=伊勢外宮の豊受大神の前婿(草部=海幸)、後婿(ニギハヤヒ=山幸)

 

御年神(考安天皇)~大足彦(景行天皇)

 

摂社の五人の神様の素性が少し見えてきましたね!


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