346 真庭、湯原から蒜山高原へ中国山地の奥深く ⑪ “真庭市種の田根神社”
20160506
久留米地名研究会(神社考古学研究班) 古川 清久
ひぼろぎ逍遥343 真庭湯原から蒜山高原へ中国山地の奥深く ⑩ “鉄山神社は八幡宮ではなかった”で取り上げた鉄山神社見た後、数キロ戻り、田根神社を見に行きました。
それは、太田種子 物部という単純な発想から田根神社に誰が祀られていたかを確認したかっただけのことでした。
ここも物部系の神社であることは明らかですが、物部氏でも如何なる氏族の系統であるかは検討を要します。
なぜか左の境内摂社に主神のはずの宇気母智命が祀られているのです右殿には
大山祇に見えますが(配神にはない)○に三つ引きの神紋が打たれていました
配神には彦火火出見命、豊玉比売命があります。
実は、彦火火出見命とはニギハヤヒであり、そのお妃の一人が豊玉比売命(宗像大社のタゴリミホ=田心姫)なのです。
してみると、彦火火出見命のもう一人のお妃である主神の方の宇気母智命(伊勢神宮外宮の豊受大神)が神殿から出されている可能性があるようです。少なくとも外からはそう見えるのです。
稲荷神は神社研究でも最も難しく分かり難いジャンルですが、良く纏められたサイトがありましたので、ご紹介しておきます。
稲荷神とは?
神道における稲荷神
神道では伏見稲荷を起源とする稲荷信仰に基づいて、食物と五穀豊穣を司る神を稲荷神として祀っています。それらに当たる神々は以下の通りです。
神道における稲荷神一覧
宇迦之御魂神(ウカノミタマ):伏見稲荷の稲荷三神の一柱。『古事記』に登場し、スサノオの子とされる
倉稲魂命(ウカノミタマ、クラシネタマ):『日本書紀』に登場し、イザナギの空腹から誕生したとされる
豊宇気毘売神(トヨウケビメ):『古事記』に登場し、伊勢外宮では「豊受大神」として祀られているとされる
保食神(ウケモチ):『日本書紀』に登場し、口から食物を生み出す神として描かれる
大宣都比売神(オオゲツヒメ):『古事記』に登場し、身体から食物を生みだす神として描かれる
佐田彦大神(サタヒコ):伏見稲荷の稲荷三神の一柱。サルタヒコと同一視される
大宮能売神(オオミヤノメノカミ):伏見稲荷の稲荷三神の一柱。百貨店の神としても知られる
田中大神(タナカノオオカミ):伏見稲荷の摂社・田中社で祀られる神
なお、宇迦之御魂神と倉稲魂命は同一視され、両神の読みも主に「ウカノミタマ」と統一されています。
また、ウカノミタマとトヨウケビメは同一視されることが多いですが、個人研究の結果、伏見稲荷創建以前の古社に鎮座する稲荷社で祀られる稲荷神は「トヨウケビメ」とされるケースが多々あります。
全国の稲荷神社ではキツネが神として祀られていると思われがちですが、実は「宇迦之御魂神(ウカノミタマ)」という五穀豊穣を司る神様であり、キツネはあくまでも神使(神の使い)です。
佐田彦大神は猿田彦で良いでしょう同時にウケモチの夫ですね。ただ佐田大神は大山咋の事です。
以下は敬愛するHP「玄松子」からウケモチを確認しておきます。
保食神うけもちのかみ
別名 宇食持命/宇食保命:うけもちのみこと 宇気母智命:うけもちのみこと……
食物全般の神。稲の神である稲荷神と同神として、稲荷神社に祀られることが多い。 また、小祠であったため合祀された稲荷神の祭神とされる場合も多いので、保食神を配祀する神社は多い。
『日本書紀』において、高天之原の天照大神の命を受けて、月読尊が葦原中国の保食神のもとを訪れると、 保食神は口からいろいろな食物を吐き出してもてなした。月読尊はそれを「穢しい」と怒って保食神を殺してしまう。
天照大神はこれを怒って月読尊と仲違いし、昼・夜を分けもち別れて住むようになった。
その後、天照大神が大熊大人を遣わして様子を見に行かせると、保食神の死体から粟・稗・稲・麦・大豆・小豆・牛・馬・蚕が化生していた。 大熊大人がこれらを献ずると天照大神は喜ばれて、穀物の種子とされた。
『古事記』では、月読尊を須佐之男神、保食神を大宜都比売神として同様の五穀起源の神話がある。