スポット059 ハウス・ホテル・カレーのCM曲をご存知ですか?“『Por una cabeza』(ポルウナカベーサ)”
20160614
久留米地名研究会(神社考古学研究班) 古川 清久
筑前町の大己貴神社が鎮座する大字弥永に小字名として「日隅宮」があったことを知り、これは大変な事だと法務局での調査から戻って、TVのスイッチを入れると、突然、ハウス食品の「ホテル・カレー」のコマーシャルが流れて来ました。
そのCM曲が、なんと、アルゼンチン・タンゴの名曲中の名曲ポル・ウナ・カベーサ「Por una cabeza」だったではないですか、十年ほど前にも「キリン生茶」の宣伝に使われていますのでそれほど驚くほどの事もないのですが、カルロス・ディサルリ楽団による「パトテロ・センティメンタル」と共に最も好きな曲だけに、しばし、釘付けになってしまいました。
ポル・ウナ・カベサ (Por una cabeza) は、タンゴの有名曲の一つ。曲名は競馬用語の「首(ひとつ)の差で」を意味する。カルロス・ガルデルが1935年の映画「タンゴ・バー」 (Tango bar) の挿入歌として作曲したもの。ギタリストで作詞家のアルフレード・レ・ペラ (Alfredo Le Pera) による歌詞がついている。歌詞・楽譜はこちらを参照のこと。
なお、ラテン調やクラシカル調、テクノ調、タンゴ向けなど様々な編曲・アレンジがなされている。
ウィキペディア(20160914 19:02)による
飛行機事故で急逝した永遠の名歌手カルロス・ガルデルによるものがもっとも有名ですが、どのオルケスタ、どの歌手が歌っても聴き込んでしまうほどの名曲なのです。
手持ちでは、ガルデル全集はもとより、日本のマエストロ小松亮太による「ラ・トランペーラ」にも収録されていましたが、テレビで流れると効果は大きいだけに、タンゴの良さが伝わり再度ブームが到来してくれたらと思うばかりです。
この「Por una cabeza」については、フィギヤ・スケートの浅田真央がリンクでも使っているので、かなりの人の脳裏に溶け込んでいるはずなのですが、なかなかアルゼンチン・タンゴの復活とまでは至りません。
まず、スペイン語のPorは英語のforと同じで、cabezaが頭と分かれば、頭一つで、つまり、鼻の差で負けた…という意味になるのです。以下、「スペイン語事始 Ⅱ」という適切なサイトがありましたので、勝手ながらご紹介させて頂きます。
Por una cabeza, ただ一人のために
si ella me olvida たとえ彼女が僕を忘れても
qué importa perderme 何千回破滅しても僕は構わない
mil veces la vida,
para qué vivir. その一人のために生きている
Cuántos desengaños, いくつの失望が生まれたことか
por una cabeza. 首の差のために(一人のために)
Yo jugué mil veces, 何度もそれに賭けてきた。
no vuelvo a insistir. でももう執着はしない。
Pero si un mirar だが、(彼女の)視線
me hiere al pasar,** すれ違いざまに僕に当たったら、
sus labios de fuego 彼女の燃えるような唇に
otra vez quiero besar. もう一度口づけしたい。
Basta de carreras, レースはもう十分だ
se acabó la timba. 勝負事は終わった
!Un final reñido 最後の接戦も
ya no vuelvo a ver! 2度と見るまい。
Pero si algún pingo でも、もしまた駿馬が
llega a ser fija el domingo, 日曜日の本命馬になるなら、
yo me juego entero. 僕は全てを賭けるだろう。
!Qué le voy a hacer..! 僕は何をしようとしているんだ!
*Por una cabeza 「首の差で」と「una cabeza=一人、一頭のために」の二重の意味をかぶせているようですね。
*Pero si un mirar me hiere al pasar, 「herir」は①傷つけるの意味だけでなく③(光線が、的が)当たるの意味もあるので、こちらのほうではないかと…
なお、昨今は便利なもので、パソコンでも、ユーチューブを開き、ポル・ウナ・カベーサと入力さえすれば、それなりの録音が複数聴けますので、試してみて下さい。
私は、野菜を鰹のダシで炊いて、ハウス食品の「ハウス・ジャワカレー」辛口とSB食品の「ゴールデンハヤシライス」を50:50のブレンドで妙な食べ物を作って食べる人間なのですが、今回は、ポル・ウナ・カベーサをCM曲に採用して頂いたことに感激し、ハウスの「ザ・ホテル・カレー」を単独で使ってみようと思います。
ただし、アルゼンチン・タンゴのファンは、ホテルはスペイン語風にオテルと発音するのです。
これまた名曲のグラン・オテル・ビクトリア…などと…。