スポット098 ケナフを植えたらCO2が減らせるなどと本気で考えた佐賀県職員
20170403
太宰府地名研究会(神社考古学研究班) 古川 清久
ひぼろぎ逍遥 スポット084(前)(後) 地球温暖化が嘘である事をNASAが認めた 2017-03-29
を3月末に公開しましたのでお読み頂いた方もおられると思います。
これは、過去二十数年に亘る「CO2温暖化論」という国家的、国際的大嘘、デマゴギーの発信源であったNASAが昨年の夏あたりから方針を転換したのか、部分的にも真実を語るべきとしたのか、トランプを始めとするネットから真実を知ってしまった人々にある程度は歩調を合わせるべきとの自己保身からなのか…、“南極の大陸氷の絶対量は増大しているとの報告を行い、とうとうユーチューブにも公開し、”温暖化によって極氷が減少しているなどといった現象は認められない“と発表している事をお伝えしました。ここまできて、関連報道も増えてきた事から、一例ですが、補足の意味で以下もお読みください。
ツバルは脆いサンゴ礁が沈んでいるだけ 海に浮かんだ氷が解けても海面は上がらない
ネット・ニュース 「南極大陸の氷が増えている」は本当か NASAの最新の研究結果が物議、真相は?
南極の氷は減っているのか、増えているのか。そして、そのことは世界の海面上昇にとってどんな意味があるのだろうか。
11月30日からパリで始まる国連・気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)に向けて各国首脳が準備を進める中、この問いは世界の気象学者たちの熱い議論の的だ。そんな折、「南極の氷はむしろ増えている」というNASAの気象学者チームによる研究成果が発表され、物議を醸している。
研究チームは、科学誌「Journal of Glaciology」に掲載された論文の中で、「西南極の氷河質量の減少分は、降雪の増えた東部内陸で氷河が厚さを増したことで相殺されている」と結論を出している。その結果、南極の氷は毎年およそ1000億トンずつ増えているという。(参考記事:「南極の海氷面積増加、その意味は?」)
論文の筆頭著者で、米メリーランド州にあるNASAゴダード宇宙飛行センターの主任雪氷圏学者、ジェイ・ズワリー氏は、「こうした氷の増加は、毎年の海面上昇幅が従来の予想より約0.25ミリ小さくなることを意味します」と話す。
ここで、二十年近くの長きに亘って流されてきた“CO2温暖化論”デマ・キャンペーンに完璧に毒されてきた事を改めて考えて頂く為にも、まずは、その最悪の例を佐賀県庁内で行われた真面目な、しかし、レベルの低い議論が存在した事を再度公開したいと考え、ひぼろぎ逍遥 015 として公開している "ケナフを植えて二酸化炭素を吸収しよう"と考えた佐賀県職員 を再度お読み頂こうと思います。
本文にもあるように、元々は、2004年4月4日付アンビエンテで公開していますので、13年前、3年前以来の再々公開になります。3年前の公開時点当時はアクセス数も少なかったことから改めてお読み頂く必要を感じています。
そもそも、南極大陸は夏でも氷点下30度以下であり、0℃以上にならなければ決して氷は溶けはじめることさえないのです。科学的思考と言うものがいかに重要かという事がお分かり頂けるでしょう。
015 "ケナフを植えて二酸化炭素を吸収しよう"と考えた佐賀県職員 (再掲載)
20131226
太宰府地名研究会 古川 清久
013で山の栄養、山の物質循環の話の中で、「行政も識者もあまり関心を持っていない、もしくは気づいていないようなのです。」と書きました。
これには、無駄な拡大造林をなおも推進める利権構造もあるのですが、それにとどまらず、その背後に、彼らの科学性の欠如があるように思えてならないのです。
これを思わせる好例がありますので紹介しておきましょう。
この小論は、2004年4月4日付で「環境問題を考える」のサブサイト、アンビエンテの「有明海諫早湾干拓リポート」Ⅰに書いた、11. "ケナフを植えて二酸化炭素を吸収しよう"と考えた県職員を編集して再度オンエアするものです。
「環境問題を考える」への訪問者の方々ならば、こと"二酸化炭素の増加による地球温暖化という話"が極めて疑わしいものであるということは十分お解りになっていることと思いますが、やはり一般的にはそうではなく、誤りを、それも二重の誤りを繰り返しているのです。
これから紹介するのは佐賀県庁に勤務する友人から教えてもらったものです。前年度にまとめられた県における「職員提案」の一例(従って関係課名は旧名)ですが、相当数の提案の中から特に"重要"とされたものの一つということですので、それなりの評価を受けたものということになりそうです。
ほんの一例ですが、佐賀県(よその県でもほとんど差はないのでしょうが)という行政機構のなかでどのような論議が行われているかを理解していただくために、一目最悪と思えるケースを紹介したいと思います。この他にもかなりおかしなものが散見されるのですが、全てを紹介するわけにもいきません。
ただし、この例も基本的には、所詮「思いつき」程度のものでしかなく、これがそのまま科学誌に掲載できるといった水準にないことは言うまでもないのであって、このことは当の本人から担当部局もそれなりに理解していることでしょう(?)。とりあえず「改革派」知事の登場によって、"職員のやる気"と"創意"とを引き出すためのパフォーマンスが開始されたといったところなのですが、所詮、これらに合流するのは一部の暇な職員であり(現実的には、教育を受けた若手ほど毎日不毛で繁多な実務に追われており、事実上参加する余裕などないはずなのです)、参加者の中にも功名心や自己の評価を求める職員や管理職に近づきもはや実務の必要がほとんどなくなった職員の「ひまつぶし」に近いものもかなり含まれていたことでしょう。
番号12 区分 政策提案 題名 有明海再生と地球温暖化防止策についての提案
提案内容
地球環境の問題の一つとして二酸化炭素による地球温暖化がある。地球の温暖化が進めば、気温の上昇、海水温の上昇、それに伴う海水面の上昇が生じる。現在でも東シナ海の潮位が10cmほど上昇しており、地球温暖化が一つの原因と考えられる。
また、有明海の潮位も上昇しており、さらに潮汐が弱まったことに、少なからずとも影響があると考えられる。これらの潮位の変化が、有明海の潮流の変化をもたらし、潮流が弱くなったことに事に伴い有明海の循環が弱まり、土砂の堆積や富栄養化が進んだ原因の一つと考えられる。
そこで、二酸化炭素を削減する方法を提案したい。それは休耕田に一年草のケナフを栽培し二酸化炭素を光合成により酸素に変えて、二酸化炭素を削減する方法である。
ケナフは、一年生で、4m程伸びる草で、二酸化炭素をよく吸収するということである。また、ケナフは、紙(自然素材)に利用されており、近年重要視されており、この後需要が見込まれる。
今後、ケナフ栽培による二酸化炭素の削減の研究、検討が必要で、効果が良ければこの対策を推進したい。
関係課 環境課、農政課 関係課意見
・二酸化炭素削減のための研究テーマとしては、一定の評価はできると考える。
・紙以外の多量のケナフの有効活用方策を含めて、研究する必要がある。
※ 資料は佐賀県庁に勤めている(た)友人からコピーを貰ったものです。ほとんど漫画ですね。
もちろん「環境問題を考える」の読者諸氏にとっては、この"提案"ばかりでなく"提案への関係課の意見"についても"明瞭な誤り"があることに気付かれるかと思うのですが、この種の話が大真面目に議論され大手を振ってまかり通っているのが(恐らくどの県でも同様なのでしょうが)、現実の県という行政機関の科学性なのです。
ただし、県職員ともなるとそれなりに市町村その他を指導する立場にもあるわけですから、一定程度の「科学的水準」「知的水準」が要求されるはずなのですが、現状は余りにも絶望的であり全く期待できないことを示しています。
県職員にも理系(技術系)の職員もいるのですが、事務系が多く(私もそうですので偉そうなことは言えませんが)無理からぬことと言わざるを得ないかもしれません。
しかし、「技術立国日本の落日」を示す象徴的な一例にも感じてしまいます。
ただし、高額の給与をもらい時間的な余裕も与えられているわけですから、県民への義務として最低限の努力と一定の水準だけは保持してもらいたいものです。
もうお分かりでしょう。この"勇気ある"(?)提案者は、"ケナフの成長によって一次的に吸収された二酸化炭素がそのまま永久に固定され続ける"と考えていたのでしょう。
言うまでもなくケナフは一年生の草本です。熱帯雨林に生きる50メートルの高木ならば数百年、縄文杉にいたっては数千年近い長年月にわたって炭素を固定するかもしれません。しかし、巨木といえども朽ち果てるものであって、いつかは"水"その他に分解され、その過程で当然にも"二酸化炭素"を放出することになるのです。ましてや一年生のケナフに二酸化炭素を数千年単位で固定することができないことは説明の必要はないでしょう。枯れれば様々な分解過程に入っていきます。まさか刈り取ったケナフをそのまま腐ることもなく干拓地に積み上げ続けていくなどとは考えていないのでしょうから。
雨が降れば枯れた葉は腐るでしょうし、コストを無視して無理やり役にも立たない不必要な"紙"(リサイクルに廻わされた牛乳パックも同様)にされたとしても、結局は短期間で焼却され二酸化炭素を放出するしかありません。それどころか処分に困り果て、刈り取られることさえもなく燃やされてしまうぐらいが関の山でしょう。唯一、提案者の"希望的観測"を受け入れる余地があるのは、ケナフが湿地で泥炭化(炭化)する場合ぐらいでしょう。この場合だけは炭素として長期にわたって固定されることになるのです。
結局、モンゴル高原やチベット高原において、夏季には草が生茂ることによって二酸化炭素を一次的に吸収し、冬季にはそれが放出されるといった程度の話でしかないのです。
栽培されたケナフ
ともあれ、「炭素循環」(二酸化炭素の循環)は非常に複雑であり、正確に量計的なカウントができる段階には至ってはいないといわれています。
ただ、一年生の草本に「二酸化炭素を吸収させ温暖化を防止しよう」という提案について、仮に百歩譲って「二酸化炭素の増加が地球温暖化の原因だ」というペテンを認めたとしても、あまりにもひどい誤りであって全くの空振りでしかなかったのです。
お粗末なのは「一定の評価はできると考える」とした環境課、農政課の認識ですが、"提案者が有力職員であった"といったことが背景になった共同体的思考の反映なのかもしれません。ともあれ世間の常識からは「税金と人的資源と時間のムダ遣い」と言われても致し方ないでしょう。
(20040404)
十分にお分かりになったと思います。既に、クライメート・ゲート事件によって、CO2温暖化論が誤りであることも、また、CO2濃度が削減されていないにもかかわらず、ここ数年温暖化していないことも全世界的に明らかになっています。ただ、それにもかかわらず、CO2削減を主張しているのが全世界で日本だけとなっているのです。
温暖化とCO2は無関係なのですが、仮にCO2を削減するとしても、ケナフでCO2が吸収できると考える程度の頭しかないのが現実の佐賀県の行政担当者、本庁上層部であることが良く分かったと思います。
この提案を行った職員は、今頃、一般に比べて高い退職金を手にし外郭団体あたりに天下りしていることでしょうが、皆さんは本当にそれだけの厚遇を受ける価値があったと思われますか?
言うまでもないことですが、我々は、十五年前から、CO2温暖化論に対する批判を続けてきましたし、この文章も十年前に書いたものなのです。
CO2温暖化論は全くのデマであったことがようやく一般にも通用する時代になったことだけは、多少とも歓迎できるのですが、始めから分かってデマを流す連中に対して、地方の行政担当者の科学的水準の低さには驚かされ続けています。
私たち(近藤、古川)は、CO2温暖化論は誤りどころかデマであると考えていましたので、いずれ寒冷化が始まった段階で馬脚を現すことになるだろうと話し合っていましたが、どうやら、温暖化が止まったことも明らかになりはじめました。
そして、それより前にクライメート・ゲート事件で捏造が明らかになり、自滅してしまったようです。
ただ、今年の夏(当時)が異常な暑さであったことも事実です。これには都市のヒート・アイランドが絡んでいるのです。関心をお持ちの方は、当方の「打ち水大作戦の大間抜け」を検索してお読みください。