スポット122(前) 大量の土壌流出と木材流出は今後も継続する“平野虎丸ブログのご紹介を兼ねて”
20170925
太宰府地名研究会(神社考古学研究班) 古川 清久
朝倉から日田に掛けての洪水被害については、ひぼろぎ逍遥の特番として以下の二本を公開していますが、今回もその続編とお考えください。
スポット112 行政が引き起こした人災だと何故分からないのか?
スポット115 山に木がある方が安全だと思い込んでいる人に対して!
神戸大震災辺りから怪しいのですが、3.11以降極端に激しくなった、所謂、頑張ろう日本!キャンペーンが醜悪である上に不評で、その後も熊本地震に継続されたまま徐々にトーン・ダウンと言った印象は拭えませんでした。
今回も同様にハーメルンの笛吹のような“朝倉~日田復興頑張ろうキャンペーン」が行われている様ではあるのですが、どうも事態が深刻過ぎて、全く頑張る気が出てこないといった印象が強いのです。
それは、“また雨が降ったらこんどは残った筋が崩れるんじゃないか?”“復旧しても、どうせまた流されてしまうだろう!”“儲かるのは産廃業者と土建屋さんだけで、いっそ廃業してよその町にでも移転した方がましじゃないか”…といった話が蔓延しているのが方々から聞こえてくるからなのです。
つまり、山の現場を把握していない都市部の人間であるとか、嘘つき学者にそのまま夢を教え込まされている現場も現実も知らない学生や、マスコミのリポーター女などとは異なり、朝倉や日田の都市近郊から農村部に住む人間は、“山の杉が一銭の金にもならず、森林組合に金を取られるだけ…”“何十年も前に一時金になった時期があったがボーナスをつぎ込んで手入れをしたけど大根一本の儲けも出なかった”“あれだけの流木の処理を日田のリサイクル発電所辺りに運んで処理して儲かっているらしい”“久大線の全線復旧も鉄橋工事に数年は掛かるために湯布院の森号はしばらく戻ってこない”“杉山は直ぐ崩るっですけんね”“杉山の中は草も生えるとらんけん石のゴロゴロしとるだけやけんね”“中国用に伐採して置いとった材木も一緒に流れてそいが壊しとっとさ…”“森林組合の職員は公務員とおんなじ給料ばもろうて良かばってん組合員はたかられよっだけくさ”“もう家ば建て直すよいか金のあーうちに娘んとこに行こうておもーとっ“”うちは百姓ばやめたけん無理してここに住まんでも良かけんね“…といった話ばかりが飛び交っているのです。
まさに、現場の理解は強固で、現地を認識できている人には、学者や行政の嘘が目に見えるのです。
それは都市住民と異なり、数十年前までは山に入り山に接して生きてきた人々だからこそ分かるのです。
見えないのは現場にも行こうともしない県や国などの役人たちだけで、彼らが創る醜悪な「頑張ろう○○キャンペーン」の嘘が丸見えで、現場を知る人々には一切効果がなく、まさに笛吹けど踊らずといった状況に陥っている事が手に取るように見えるのです。
こうして、何度も何度も多くの犠牲が積み上げられた結果、ようやく、徐々に、恐る恐る、林業の廃止への動きが出てくるのだろうと思うばかりです。正しい動きとはどうしても遅々たるものになるのです。
画像はパスコによる
猫と言うよりヒグマの爪痕と言ったものですがこうなれば次の大雨では残りが崩れてくる事になります
一週間ほど前ですが、今回の朝倉から日田にかけての豪雨災害に関する流出土壌の総量が凡そ1000万立米に上るという報道がなされたことから(確か九州大学の大学院だかのデータのようだったのですが、運転中だったので正確ではないかもしれません)、ネット検索を続けているのですが出て来ません。
一方、崩落し流出した木材の総量は20万トンというとんでもない数字に上がっている事が、明らかにされています(以下)。
ところが、行政にとって不都合な話は方々で消され続けているようです。
どうやらこれだけではない様なのです。
ネット上には多くの報告が出されていますが、直ぐに閉鎖される可能性があるため、早めに対応しなければならず大変です。これもクレームにより消されたのか、行政からの要請、圧力で消されたのか?
とりあえず、20万トン(多分重量トンだと思いますので)でも凄い数字で、超六十年生の長伐期施業の放置針葉樹林地の一本当たりの重量が大雑把に1トンとして、20万本の杉が崩落し、何の責任も関係もない農家や住民や商工業者などの家や倉庫や工場やハウスなどを押し流したのですから、つくづく農水省、林野庁、県林業振興課、森林組合のバカの4乗が国家のためにも国民のためにも国土のためにも国民経済のためにも全く役に立ってないどころか、災害をもたらし、とうとう、人命の毀損まで引き起こし始めた事が分かるのです。この事を人災と言わずして何を人災と言うのか教えて欲しいものです。
そしてこれは今後も引き続き起こされる事を肝に銘じておかなければならないでしょう。