463 延岡市郊外のバンの群れ
20170321
太宰府地名研究会(神社考古学研究班) 古川 清久
熊本在住者を対象とする2017年3月20日の宮崎県五ヶ瀬町祇園神社周辺での雨の中での25人規模の第二次トレッキング(第一次は6人規模)を終え、そのまま帰るのもつまらないため高千穂から延岡に向かいました。
只の移動とは言っても、普通の道を避け、できるだけ別ルートを採用すれば別の神社に遭遇できるチャンスも拡大する事から妙な道を通っていると、延岡市の北の郊外で、奇妙な風景に出くわしました。
それは、比較的交通量の多そうな道路の脇でクイナの仲間と思われる鳥が数羽遊んでいたのでした。
野犬や野良ネコやイタチ…は心配がないのか?と思いましたが、一旦は通り過ぎ、再度、現場に戻って写真を撮る事にしました。
郊外とは言ったものの、場所は宮崎県延岡市夏田町319-○付近で、目の前には旭化成繊維不織布工場、旭化成メディカルMT岡富工場などが立ち並んでいます。
クイナの仲間ではバンと大バンが比較的良く見かけるのですが(と言ってもそうめったに見掛ける事はありません)、佐賀県では水田や蓮根田などで結構見掛けましたし、30年ほど前に佐賀市の隣町の三日月町(現佐賀市)に住んでいた頃には家の周りの用水路と言うか川と言うかに十羽ほどのバンが住み着いていたので直ぐにその類である事が分かったのでした。
有名なのは、ヤンバルクイナですが、バンは嘴の上が赤く、大バンは嘴が白いと思っていれば、だいたい見当が付くのではないでしょうか?
では、ご覧いただきましょう。
ちょっと分かり難いかも知れませんが、嘴が白い事から大バンで間違いないのです。
間違っても、アヒルとかカモではありません。
川の中を見ると、百匹は数えられる大型のボラが鯉のように泳いでいました。
しかし、巨大住宅団地の直ぐ傍にバンがいるとは思いもよりませんでした。
車には、常時、望遠鏡と財)野鳥の会による図鑑を入れていますので、気付いた時には確認するようにしています。
少しずつでも野鳥の種類が分かるようになっていくのは楽しいのですが、このように普通の住宅地で野鳥や魚が確認できる所はどんどん減っています。
勿論、バンも大バンも、大阪のオバン(関西を中心に分布する豹柄や光物模様の済州島出身の総連系)同様に生活力、抵抗力の強い鳥で、決してひ弱な鳥ではないのですが、このような大都市近郊の住宅街で普通に見掛けられるのは稀であり、この地域の方達は幸せな方であると思わざるを得ません。
既に、農水省、林野庁の全土を針葉樹林化させてしまうという愚かな行為によって、ミネラルが欠乏した上に、土壌流出、保水力の低下によって川に弾力性が失われ、林野庁の利権構造によってダムは土砂で埋め尽くされ、川は砂利の流出によって瀬も淵も失われた賽の河原が広がっています。
戦後70年の間に、あれほどいた魚が身の回りからほとんど消えてしまいました。
農水省のほ場整備事業によって、どこにでもいたドジョウやメダカやホタルは元より、フナ子やタナゴも全て消し去られ、密かに釣り具メーカー(口先では環境を守りましょうと言っているのですが…)がバス倶楽部などに補助金を流して増殖、移植が行われたブラック・バスが蔓延してしまいました。
川は上から下までコンクリートの三面張りによって魚やホタルの生息域を失わせましたし、カエルさえも激減し、結果、蛇も珍しい動物に思われる時代になってしまいました。
この連中は、国民経済のためにも、国土保全のためにも、国民のためにも全く働いていません。
昭和30年代から始められた遅れた拡大造林政策によって売れもしない針葉樹が急傾斜地に放置され、崩壊と洪水、土石流の順番を待っている状態です。
また、そのうち、宮崎市田野町の鰐塚山の百万本もの針葉樹林の大崩壊のような無様な災害が起こる事でしょう。
そして、その災害復旧事業によって、また、天下りを期待している事でしょう。
まさしく、国賊としか言いようがありません。
これについては、ひぼろぎ逍遥ではなく、「アンビエンテ」「有明海諫早湾干拓リポート」から
204. 宮崎県鰐塚山針葉樹林の大崩壊 ( 宮崎県内の全ての川が土砂で埋まる Ⅱ )“針葉樹林に火を着けろ!”田 野
をお読みください。
百万本もの管理された4~50年生の針葉樹林が崩壊した宮崎県旧田野町の鰐塚山の崩壊現場(当時)
林野庁は“針葉樹林の保水力は広葉樹林”のそれとほとんど変わりがないなどととぼけた実験結果をだしているのですが、問題は、その実験林の土壌、地盤そのものは、元々、数百年、数千年という広葉樹の営みによって培われたものである事が分かっていないか(馬鹿か)?
知っていて偽装しているに決まっているのです(嘘つき)。