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スポット126 ピアノの撤去に見る日本の文化的後退と日本そのものの売り飛ばしについて

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スポット126 ピアノの撤去に見る日本の文化的後退と日本そのものの売り飛ばしについて

20171001

太宰府地名研究会(神社考古学研究班) 古川 清久


 ピアノの買い取り事業がTVでも宣伝されていますが、さぞかしピアノの需要があるのだろうと思うのは当然ながら全くの誤りになります。

 個人的な話で恐縮ですが、台湾からの一文無しの引揚げ者家族と言う裕福でも何でもない家庭環境だったのですが、親の思い入れからか、個人的にはヴァイオリンのお稽古に通わされないまでもピアノの教室に通わされ掛けて直ぐにものにならずに辞めてしまった過去を持っています。

このため、何故かようやく家を手に入れる頃の引っ越し後の家にはピアノがあり(多分、教員をしていた私の妹のために買ったのだと思いますが)、陸軍の将校上がりで公職追放を食らいようやく中学校の教師の職を得た父が少しずつアップ・ライトのピアノを弾いていたことから、私が実家の隣に家を建てる頃には、愚妻が持ち込んだ同じくアップ・ライトのピアノと併せ二台ものピアノがあったのでした。

 おまけに、私の娘二人もピアノを習っていましたので、一時期、私の父、私の妹(小学校の教員)、愚妻に二人の娘と言う五人もが下手なピアノを弾いていたのを思い出します。

 私も子供のころからクラッシックを聴かされていましたから、高校時代には勉強時間はFM放送でクラッシックを中心に、毎日8時間はバック・グランドとして聴き続けていました(要は掛けっ放しですが、クラッシックが大半だったことから三年間で6,000時間は聴いた事になるでしょう)。

 このため、高校時代には大抵のクラッシクの曲は何なのかがある程度見当が着く様になっていたのです。

 ところが、ロックやジャズやタンゴ…と聴き込んでいくと、結局、アルゼンチン・タンゴそれも19340年代の歌のタンゴに嵌ってしまい、今やロックやジャズやタンゴしか聴かない様になっているのです。

 結局、鼻もちの成らない金持ちの文化には嫌悪感が先に立ち、大学に入って以降、全くクラッシクは聴かない様になってしまいました。

 今や娘も結婚することから、まだ、弾ける人間は4人(一人は去年から関東に…)いるものの、二台のピアノが埃を被り始めているようなのです。


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「ちょーだい」の名台詞で有名な大財津一郎氏が「ピアノ売ってちょーだい」とアピールする○○ピアノが業界ナンバー・ワンとのふれこみではあるのですが、元手いらずの上に人手を使うだけの商売である事から非常に効率が良く、今や多くの業者が参入し、まさに不要なピアノの処分、再生、再販…が産業化されているようです。

 ピアノを弾いていた母が死んで十年、誰も弾かないし弾けないから邪魔になるだけで、廊下も狭いし、ご近所にも迷惑だからと手放す家庭が激増している様なのです。



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それでも、全国で静岡県だけのようですが、ヤマハ、カワイと年間3万から4万台(280億円)は出荷されているようです(最盛期の十分の一)。

多分、これには海外向けが含まれており、これが全量国内向けではない上に、輸入ピアノもあることから一概には言えませんが、仮に条件が変わらないとしても、全体としては人口減によって下がる傾向にある事だけは間違いないでしょう。

 とは言うものの、行政の発表は企業や国家の思惑が入っている事からそのままでは受け入れられないと考え、ネット検索を繰り返していると、業界に精通した方の生の話が公開されていました。


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私は長い間、日本はピアノ生産台数で世界一だと思っていた。「日本が世界のピアノの4割を生産」というのは、1980年代はあながち誇張ではなかった。品質では欧米の老舗には今一歩譲るが、何と言ってもピアノは工業製品である。世界に冠たる日本の工業力が、楽器生産においても日本を世界のトップにした。しかし、残念ながらこれは今や遠い過去の話である。

最近発表された統計によれば、昨年の日本のピアノ生産台数は9万4千台。アップライトとグランドの比率は、ほぼ9:1輸出に大きく依存、これは昔も今もほとんど変わっていない。日本のピアノ生産台数が10万を割ったのは、何と1962年以来47年ぶりだそうだ。ピークの1980年には年間39万台が作られたと言うから、現在の4倍以上もの生産規模があったわけだ。

日本経済が沈滞し始めて久しい。「失われた20年」という言葉もある。所得は増えない。一方でピアノの値段は下がっていない。子どもの数は減る一方で、おけいこ事も多様化している。子どもは塾で忙しい。「隣も買ったからうちも」という横並び意識も、今や希薄だ。競合品である電子ピアノは、価格が安く、性能は向上している。要するに、ピアノ市場が縮小しているのだ。

お隣の中国はと見ると、何と年間生産台数が27万5千台。日本は中国に抜かれただけでなく、中国のピアノ生産が日本の3倍もあるのだ。トップは「珠江」(Pearl River)という広州のメーカーだ。さぞや欧米に売りまくっているのかと思いきや、輸出は6万台だけ。つまり大半の製品は、中国国内で売れている。つまり中国の中産階級が家庭用ピアノを買うようになっている。

中国の教育熱はすざまじい。受験戦争の苛烈さも、日本の比ではない。一人っ子政策で、子どもは一人しかいないので、その一人に徹底的にお金をかける。中国の子どもは、今や「小皇帝」といわれるそうだ。おけいこ事への親の熱意も同じ。ピアノの場合は「小女帝」かもしれない。とにかく猫も杓子もピアノ教室、である。どこかの国の30年前、40年前を見る思いがする。

こういう話は、韓国、台湾、香港では、十年前から聞かれたから、どうやら東アジア特有の現象らしい。所得水準が上がると、教育にお金をかけるようになる。大学に行かせる。楽器を習わせる。音大生が増える。その結果町にピアノ教室がさらに増える。楽器メーカーが販売戦略として、これを後押しする。中国で珠江ピアノ教室が、全国の町や村にできる日も遠くないだろう。

sp126-4アメリカは豊かな国だが、猫も杓子もピアノにはならない。学校で音楽は必修ではない。家にピアノがない中流家庭も多い。ピアノを買っても、熱心にピアノ教室に通わせないので、ホコリをかぶった家具になる速度は、日本以上だ。一方で英才教育の国で、天才ピアノ少年は13歳でもジュリアードに入ったりする。ごく一部のプロ集団と9割の音痴の国、それがアメリカだ。

それにしても、日本のピアノ産業はどこへ行くのだろう。ヤ○ハが世界のマーケットを席捲した時代は終わりつつある。国内市場の成長は見込めない。数ではなく質で勝負しなければならない。しかし日本のピアノが、ベヒシュタインやスタインウェイ、プレイエルのように、高品質・高価格路線に移れる可能性はあるのだろうか。私はこの点では、どうも悲観的になってしまう。


十年前に書かれたブログですが、実に明快で良く分かります。

まさしく七年の間にさらに半分(半減)以下に落ち込んでいる上にその背景が顕著に分かるのです。

 さて話はここからです。

 不要になったピアノを必要とされる方に使って頂く方が有難く、資源も無駄にならないとかエコロジカル(実に安っぽい言葉になりましたね…)と、好感を持って見ておられる方もおられるのではないでしょうか?

 しかし、実はそうではないのです。

 元々、ピアノ生産が好調だった時代、かつては、10,000台生産されたら1,000台が解体処分されるといった話も聴いていたのですが、最早、ピアノが弾ける子は苛められ自殺に追い込まれると言った風潮が蔓延するほど日本という国家はボロボロになってしまったのです(どうせ苛めたのは土建屋か産廃業者の娘)。

 ピアノ教室は閉鎖され、ピアノの先生も生徒を失いパートの弁当屋に働きに出る始末で、日本の文化的後退現象は、御茶、御花から始まり、書道、算盤(そろばん)…(以下省略)に至るまで社会の隅々まで起こってしまっているのです(それもこれも小泉進○郎の親父や竹中○蔵以降顕著になったのですが)。

 では、最後にネット上のブログをご紹介しましょう。


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非常に高品質なんですよ、日本のピアノは。だから修理済みのピアノを輸出しています。

タケモトピアノは、お客さんから買い取ったピアノを日本国内では売ってない!

買い取ったピアノを修理してピカピカにし、100%海外に輸出して儲けている会社なのです。

出典TBS「がっちりマンデー!!

取引国

世界50ケ国以上

アメリカ合衆国、カナダ、スペイン、英国、ドイツ、オランダ、イタリア、フランス、ポルトガル、マレーシア、フィリピン、 ベトナム、シンガポール、オーストラリア、香港、台湾、韓国、中国など。

修理にかかった時間はわずか10分。この工場では、28人の技術者が1ヶ月に1600台のピアノを修理しています!そんなタケモトピアノは、ピアノ修理だけで年間売上げ、なんと!30億円!

毎年2万台を販売しているそうなので、売値は単純平均で15万円と意外と安価です。

出典

ピアノ売ってちょーだい! タケモトピアノの秘密とは? | ノマドエクスポーター アマゾン海外販売編

数万円くらいで買い取ったピアノを、職人の技で再生。音の特性・機能だけでなく、外装も新品同様に蘇らせる。職人の労賃 3/日、引き取り3万、管理2万としても、1台あたり、5万円以上の利益は出ているのだろうと推測。

出典

タケモトピアノ | プロセスを変える - 楽天ブログ



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十分にお分かり頂けたと思います。

 かつて世界トップの生産量を誇った日本製ピアノは、ここでもボロ負け状態に落ち込んだ上に、小○泉竹○改革以降による所得の急落に加えて、国富のアメリカへの売り飛ばしよって、国内の需要そのものから、将来のピアノの購買層となるピアノ教室に通う生徒から先生までの全ての文化とそれを支える社会風土の一切を押し流してしまったのでした。

 最早、音大のピアノ学科に進もうとするお嬢様も調律師も音楽教室の経営者も、そして音楽大学そのものも、全てが消失し日本で無用の長物となった高性能ピアノが、中国、台湾、香港、韓国、ベトナム、マレーシア、シンガポールの富裕層、日本では失われた中間層へと売り捌かれている事が分かるのです。

 結局、バブル絶頂期までアメリカさえも追い落とす勢いだった日本は、完全にアメリカに食い物にされ、これからも、保険制度、医療制度、そして日本の主力産業の株そのものが全てアメリカ、中国の虚構の上に膨張された偽通貨によって買い漁られ、そのうち列島内に日本人立ち入り禁止の中国人居留地と言ったものが急増する事になるでしょう。それもこれも小○泉竹○と連動する腐敗官僚どもがやった事なのです。

 苛めとやっかみから弾けると言えない子供がこっそりとピアノを習い、巷ではAKB○○などといった恥知らずで、大騒ぎする角兵衛獅子(かくべえじし)紛いのお遊戯集団だけが脚光を浴びる愚かな国に成り下がった事は、まさにマッカーサー以来の日本人劣化政策が完全に完成したと言える事になりそうです。

 次は、医者や大学教授や弁護士…といったハイ・クラスの人々が路頭に迷う時代が来ることでしょう。


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