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218 最も良い温泉について? “地名研究会研修所そばにある塚田温泉から”

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218 最も良い温泉について? “地名研究会研修所そばにある塚田温泉から”

20150617

久留米地名研究会 古川 清久



久留米地名研究会天ケ瀬温泉五馬高原研修所がある大分県日田市の天瀬町五馬市地区から一キロほど南に塚田地区があります。

ここには塚田小学校があり隣に年中無休の共同浴場塚田温泉(200円)があるのですが、地場の野菜などの販売も行われていて、研修所で必要な野菜、特に大分県は大産地ですから原木栽培のシイタケ、地鶏のたまご…といったものが格安で手に入ります。



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塚田温泉センター



当然、高原地帯のため寒暖の差が大きく、おいしいお米が採れると思った事から、番台に座る上品なご婦人にご相談したところ、別の農家の方を何人かご紹介頂き手持ちのお米を分けて頂くことができるようになりました。


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塚田小学校前 田植えの終わった集落の風景(パノラマ撮影したもの)20150616 1300前後

今後は、漬物、味噌、醤油、こんにゃく、豆腐、お茶…と地場産品の購入の枠を広げ、極力、日田まで買い出しに行かずに済ませられる体制を創りたいと考えているところですが、さすがに、イリコ、食用油、鰹節、魚、肉…、香辛料、天然塩、カセット・コンロのボンベといったものは定期的に行われる研究会のついでに買って帰る事になります。

既に、すべての生活に必要なものが揃っており、消耗品だけを補充するだけなのですが、研修所故に、酒だコーヒーだ…ワインを…と贅沢な話にもなってきます。

と言いながらも、久留米大学の福山教授から公開講座の翌日壱岐の手前で魚を釣って来たとかいう事で貰いに行ったところ、54㎝の目の下一尺半の大鯛に35㎝オーバーキジハタで鱗とワタは落としてあったものの、二時間格闘して三枚に下ろし、刺身を取り、焼き物、煮ものへとへとへとになってしまいました。

専用の大デバ、柳包丁はもっているものの、まな板が小さ過ぎて、今後は小ぶり(キスとかメバルとかアラカブ=カサゴ…)の獲物を頂く事にしたいと思います。

まな板(イチョウは)も高いので物色していますが、まだ、良いものに出くわしません。

水道水が高原地帯の地下水汲み上げによる天然水であることによって、氷もお茶も、コーヒーも美味しく、その上に天然温泉に24時間入る事が出来るのですから、まさに桃源郷に住んでいる思いです。

特に、「ひぼろぎ逍遥」 166 留米地名研究会天ケ瀬温泉五馬市高原研修所周辺の神社 ① “塚田の阿蘇神社”で取上げた湧水の在る場所であり、古代の農耕(ここでは陸稲栽培ではなく水田稲作を想定していますので)はこのように安定した容易に水の得られる(湧水に限らず、山からの小河川が流れ込む)里山の裾野の小平野、小湿地で始められたと考え(られ)ています。

決して、洪水の危険があるような、大河川の周辺などでは始っていないのです。何故なら、大河川は制御するのが非常に難しく、水を引くに巨大な堰堤を築き、長延長の用水路を造らなければ水田稲作には到らなかったからです。

従って、豊富な湧水地を持つ山間の小平野とは、そのことだけからも、古代でも相当古い時代から開発された非常に古い集落である事が分かるのです。

湧水池がある塚田阿蘇神社も歩いて直ぐのところですので散歩がてらにでもご参拝下さい。


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皆さんも、桃源郷の極上モール泉に入り、野菜を購入されたらいかがでしょう



良い温泉とは何か

温泉は白濁の硫黄泉が温泉らしくて良い、やっぱり食塩泉はさっぱりするから良い、炭酸泉は体がポカポカしてきてあったまるので最高だ、たまには強烈な硫酸泉も良い、青みがかった硫酸銅の温泉は幻想的だった…と温泉に関する好みは人それぞれですが、それは、一ヶ月に一度しか温泉に入らない人、良くても一週間に一度しか入らない人の話が大半であって、日常的に温泉を利用する人なら単純泉や重曹泉が利用しやすい事に気付いておられると思います。

食塩泉とは文字通り塩水であって、極端に表現すれば海水浴から上がってシャワーを浴びない事と同様ですし、特殊な石膏泉や鉱物泉は石鹸と反応して髪の毛がガチガチになる場合もあるのです。

また、温泉法による25度をギリギリにクリアしたような温泉とか、特殊な成分によって25度以下であっても温泉とされた鉱泉となると、冬場の加温用の燃料費が嵩み(勿論、水道水を沸かすよりはましなのですが)割高な温泉になってしまいます。

また、この温泉は濃度が濃く体に効く…といった温泉も、その成分によっては、頻繁に湯口、管路の掃除、点検に手間と経費が嵩み負担になってしまいます。

特に問題なのは、浅い井戸で汲み揚げる事ができた場合は良いのですが、千メートルも掘ってようやく温泉法をクリアしたような無理やり造った温泉(捏造温泉)は、成分によっては採湯用のパイプのスリットが詰まり、十年を待たずして、掘り直し、パイプの交換といった経費が掛ってくる事です。

藻が着きにくい泉質、硫黄泉、食塩泉、炭酸泉…も浴槽の掃除が楽で、プラスの要素になるかも知れません。全て、物事には功罪が付きまとう事になるものです。

これは、成分が濃いものほど頻度が上がり、成分が濃い良い温泉と言うのは利用する人間の場合だけになってくるのです。

では、自噴する百度の温泉が良いかと言うと、湯冷まし槽を造って管理せざるを得ないし、それが難しいとなると、勢い水を加え(酷い場合は水道水を加える)ざるを得なくなり、本来の温泉ではなくなってしまうのです。

結局、できるだけ真水に近いアルカリ性の単純泉で、湯口温度が50度、利用場所で434度の浅井戸の温泉が、毎日利用するには泡立ち=洗浄力も良く、最も便利で経費が掛らない良い温泉という事になるのです。

その点、この塚田温泉はPH8.2、泉温=46℃、井戸深=550メートル(ちょっと深い)加水なし、無味無臭の薄い炭酸水素塩泉(弱アルカリ性の低張性高温泉)であり、ほぼ、理想に近い温泉となるのです。

低張性温泉についてはあまりご存知でない方が多いと思いますので、簡単に説明すると、温泉でも長湯をすると指先の内側にシワが寄ることを経験されているでしょうが、温泉の成分が濃い場合は、浸透圧の関係で、体の細胞膜を通して水分が出て行くことになるのです。この割合が低いものが、低張性とか低張性温泉と表現されています。



「浸透圧」に注目!

温泉分析書には「浸透圧」という欄がない場合もありますが、「低張性」「等張性」「高張性」と書かれていれば、それが浸透圧です。
 単純に考えると、高張性の方が濃い温泉で、低張性ほど薄いと言ってもよいでしょう。
しかし、これは体の細胞液の濃度を基準にした分類なので、等張性以上の濃度がない温泉が多く、低張性がほとんどですから、低張性が薄いのは、体の細胞液濃度と比較してのことだと思ってください。
 浸透圧の意味としては、高張性は温泉の成分が体に浸透しやすく、低張性は水分が体に浸透しやすいと考えればいいです。このことから、高張性の方が湯あたりしやすいとも言えます。

HP温泉ソムリエ協会より

実は、この塚田温泉センターには頻繁に通っているのですが、野菜を買い行くばかりで、実際には一度しかこの温泉には入っていません。

それは、考えれば当然で、研修所自体に同種の泉質と思われる温泉が文字通り湯水のように湧いているからです。

200円払って温泉に入るくらいならば、新鮮な本物の地鶏の卵を10個、生シイタケを買う方がましだと経済原則が働いてしまうのです。

ともあれ、良泉とは言え、単純泉の塚田温泉にも、もう一つの特徴があります。

それは、最初に入った時から気付いていましたが、茶褐色のお湯であり、もしかしたらモール泉ではないかと思っていました。

モールとは、ドイツ語で湿原(Moor)のこと。昭和初期には十勝川温泉を含め世界で2箇所しかないといわれていた。しかしその後、各地でモール泉が確認されている。

温泉法に基づくの療養泉の分類についての泉質とは全く別の概念である。温泉の分類上では単純温泉や塩化物泉などであり、効能などはそれぞれに準じる。

石炭の形成途上であり炭化が進んでいない泥炭や亜炭層から源泉を汲み上げるため、植物起源の有機質を多く含み、肌に触れるとツルツルとした感触があるのが特徴だが効能としては認められていない。湯色は飴 - コーラ色を呈し、黒湯のように透明度が極めて低い湯もある。

これらのうちの一部は、源泉が地下10m前後と極めて浅い層からでも得られること、湯温も30度前後と低いことなどから、地下に封入された化石水による温泉ではなく、自由水が泥炭中の有機物から生じる熱で暖められているのではないかという説がある。

ウィキペディア(20151017 13:00)による

成分分析表にはモール泉との表示はなかったのですが、地鶏の卵を売りにだされ番台も受け持っておられるOさんがモール泉ですと言われて、やはりと思ったところでした。

研修所のお湯も同種のもので、図らずも泉質がはっきりして温泉の名前を九州王朝古代の湯「泉」とでも付けようかと思っているところです。

「泉」は九州王朝の初期の本拠地、現佐賀県佐賀市久保泉の「泉」です。

久留米地名研究会の関係研究会の全てのメンバーが自由に利用できる天ケ瀬温泉五馬高原研修所の内湯は24時間源泉掛け流しの温泉に入る事ができますが、さすがにもったいないため常時流しっぱなしにしている訳ではありません。

冬場は高地故にフル・オープンでなければ泉温4245℃を維持できませんが、夏場はチョロチョロと流しているだけでも十分なために、頻繁に入る時や来客が多い時は掛け流しの状態にしています。

基本的には浴槽に藻が着きにくい性質ではあるのですが、一回入れば全ての湯を棄て、また、入れ直すことで、浴槽の表面から水分を消してしまうことにしています。当然、加温も加水もしていません。

これで、浴槽を洗剤で洗うなどの必要はないのですが、泊まり客が来る時などは、精神的(衛生性への錯覚)な面からか不必要と知りつつも、しかたなく、たまには洗浄もしています。

「五馬媛祭り」とか「ほたる祭」とか、いわゆる行政主導の村興しに熱心な地区ではありますが、しょせん行政の免罪符的なアリバイ作りに過ぎず、今後とも過疎化に歯止めは掛らない事でしょう。

かつて、社会学者の徳野貞雄(熊本大学)教授は過疎ではなく人口構成に根ざした適当な過疎=「適疎」を提案されましたが、人口構成の正常化(自然なピラミッド)は望むべくもなく、若者が定着できる社会的基礎は既に失われ、新たな共同体、高齢者同士、研究会であれ、宗教団体であれ、新たな共同体の再建なくしては過疎地の再建は困難ではないかと思うものです。

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三人でも一緒に入ることができる研修所の内湯 混じりっけなし加温加水なし源泉掛け流しのモール泉



このタイプの茶褐色の温泉(モール泉)は、九州では福岡県大川市の大川温泉、鹿児島県湧水町の鶴丸温泉、特に後者は有名です。

それに熊本県八代市の日奈久温泉にも一部ある(日奈久のモールについては未確認)とのことですが、自分で入っている訳ではないため保留します。

 とにかく、この研修所の温泉には一日4回入ったこともありますが、夏には大活躍しそうです。

 夏場は、チョロチョロ流しにしてぬるま湯に何回も入り、扇風機に当たればエアコンなしでも過ごせそうです。点検のためにエアコンも動かしましたが、標高が高いために日が落ちるとけっこう寒くなりますのでほとんど使う必要はないようです。とにかく悪の温床である電力会社には金を渡さないように…。

 

なお、最近神社関係の記事が少ないと思われる方は、より、百嶋神社考古学にシフトした神様専門blogである「ひぼろぎ逍遥」(跡宮)奥の院 をご覧ください。


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